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議員提出議案の詳細情報

発議案第6号 改正健康保険法について拙速な審議に抗議し、改正点の撤廃を求める意見書

発議案番号 発議案第6号 提出者 五十嵐智美
木崎俊行
稲田敏昭
議決年月日 令和8年6月29日 結果 否決
賛成7人、反対20人
 改正健康保険法が、2026年5月29日の参議院本会議で、自民党等の賛成多数で可決成立した。本法が、国民の命を脅かす多くの問題をはらんでいるにもかかわらず、十分な実態把握もなく、当事者の声も聴かずに短期間の審議で進められたことに抗議し、以下、問題点を指摘する。
 「高額療養費制度」について、自己負担の上限額は、非課税世帯を除いて年収に応じ4つに区分されているが、8月から月額上限がそれぞれ引き上げられる。来年8月には、所得区分を13に細分化し、最大38%も引き上げられる。国は長期療養者に対し、多数回該当を適用することによる現行額の据え置きや、年間上限を設定して負担増を緩和するとしているが、支払い能力を上回る「破滅的医療支出」を強いられる患者が続出する可能性がある。
 次に、OTC類似薬の保険外しである。本法では、OTC類似薬を処方された患者に、薬剤費の25%を追加で求める「一部保険外療養」という新制度が創設された。対象は、鼻炎や便秘、痛み止めなど日常的に使われる77成分を含む約1100品目とされているが、具体的な範囲は決まっておらず、患者負担に歯止めがかからなくなる。現に、財務省の「令和8年度社会保障関係予算のポイント」には、「令和9年度以降にその対象範囲を拡大していく。あわせて、特別の料金の対象となる薬剤費の割合の引き上げについても検討する」と明記されている。
 さらに、本法の最大の問題点は、一部保険外療養(保険外し)はOTC類似薬にとどまらず、医療全般に及ぶ点である。
 一部保険外療養の定義として、改正法条文の第63条第2項第6号には、OTC類似薬のみならず「その他の適正な医療の提供を確保しつつ、公平かつ効率的な保険給付を行う必要性に鑑みその要する費用のうち一部を保険給付の対象としないものとする療養として厚生労働大臣が定めるもの」とある。
 衆議院の審議で、「その他の適正な医療」という文言が、大臣裁量で恣意的運用へと道を開くのではないか、という指摘に対し、上野厚生労働大臣は否定しなかった。さらに、衆議院可決後、神奈川県保険医協会が厚生労働省に照会したところ、同様の回答があった。
 「その他の適正な医療」という一文があることで、OTC類似薬にとどまらず、診察や治療材料、処置、手術、在宅医療など、全ての医療を保険から外すことが可能になったと言わざるを得ない。
 国民皆保険制度を根底から覆しかねない改正健康保険法について、拙速な審議に抗議し、以上指摘した改正点を速やかに撤廃することを強く求める。

以上、地方自治法第99条の規定により意見書を提出する。
令和8年6月29日
佐 倉 市 議 会
内閣総理大臣
厚生労働大臣   宛
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