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議員提出議案の詳細情報

発議案第12号 能動的サイバー防御法案の廃案を求める意見書

発議案番号 発議案第12号 提出者 伊藤とし子
石井昇
稲田敏昭
議決年月日 令和7年3月25日 結果 否決
賛成5人、反対21人
 報道によると、政府は「重要電子計算機に対する不正行為被害防止法案」を今通常国会に提出し、会期内の成立を目指すとのことである。
 本法案は、2022年末に閣議決定された「国家安全保障戦略」に「能動的サイバー防御」として「可能な限り未然に攻撃者のサーバー等への侵入・無害化ができるよう、政府に対し必要な権限が付与されるようにする」「サイバー安全保障分野における新たな取組の実現のために、法制度の整備、運用の強化を図る」と明記されたことを受け設置された有識者会議の「提言」に基づき作成され、@官民連携の強化、A通信情報の利用、B侵入・無害化措置の実施、を軸に組み立てられている。
 確かに、近年のサイバー領域における犯罪と安全保障領域での問題の増加、悪質化に対して、何らかの措置が必要であることは論をまたない。しかし、本法案には以下のごとく、個人の人権を侵害し、また安全保障環境をさらに不安定にする懸念が多く存在する。
 まず「官民連携」の名目で、民間事業者がサイバー攻撃を受けた際の報告義務(罰則あり)が明記されたが、先に成立・施行されている「経済安保」との連動は確実であり、「報告」を越えてサイバー空間でのやり取りの情報提供が強制されるおそれがある。大川原化工機冤罪事件の負の教訓を無駄にするべきではない。
 また、「通信情報の活用」では、必要であれば当事者の同意、令状なしで常時通信記録を監視・解析することが可能となる。これは、日本国憲法第21条が保障している「通信の秘密」に明らかに抵触する。有識者会議では、サイバー攻撃を防ぐという「公共の福祉」のためには、通信の秘密であっても必要かつ合理的な制限を受けるとしているが、これは「公共の福祉」の濫用であり、個人の権利をないがしろにするサイバー防御が「公共の福祉」であるという解釈は、意図的な拡大解釈であり認めることはできない。
第二次安倍政権以来、一貫して強化されている監視社会化が、さらに推し進められるのである。
 そして「侵入・無害化措置」は、攻撃元への侵入と事実上の「攻撃」であり、場合によっては他国の主権侵害に至ることもあり得る。まさしくサイバー領域を戦場とし、いたずらに国際的緊張をあおることにもなりかねない。さらに対象のいかんにかかわらず、「可能な限り未然に」、つまり事案の発生前から継続的な監視をすることが前提となっており、その役割を警察と自衛隊に割り当てるのである。独立機関である「サイバー通信情報監理委員会」を新設し、事前審査・承認を必要とすると規定するが、「緊急性」を理由に事後通知する事例の多発が予想され、独立機関の形骸化が懸念される。
 サイバー攻撃に対しては、サイバー管理者に即時機能停止(テイクダウン)を依頼することや、攻撃者を公表し国際的に非難するなど、これまで不十分だった防御態勢を進展・充足させることこそが重要であり、一足飛びに先制攻撃を可能とする本法案は危険極まりない。
 最後に、本法案は「警察官職務執行法」、「自衛隊法」等15本の現行法改正案との束ね法案であることを指摘しておきたい。2015年の安保関連法案と同様に、本来個々に十全な審議が必要なものを一まとめにすることで、ずさんな審議だけで可決・成立させる手法が常態化していることは大問題である。
 以上、本議会としては、個人の人権を侵害し、また安全保障環境をさらに不安定にする本法案の廃案を強く求めるものである。

以上、地方自治法第99条の規定により意見書を提出する。
令和7年3月25日
                           佐 倉 市 議 会
内閣総理大臣 
法務大臣 
内閣官房長官   宛
防衛大臣 
警察庁長官
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