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発議案番号 | 発議案第8号 | 提出者 | 松島梢 伊藤とし子 木崎俊行 三井義文 稲田敏昭 |
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議決年月日 | 令和6年3月26日 | 結果 | 否決 賛成8人、反対19人 |
政府は3月1日、地方自治法の改正案を閣議決定した。 改正案では、大規模災害、感染症蔓延など「国民の安全に重大な影響を及ぼす事態」が発生した場合、個別法に規定がなくとも、国民の生命保護に必要な対策の実施を国が自治体に指示できるとの特例を設けることとしている。その場合、閣議決定を経ることが条件となり、自治体はその指示に応じる法的義務を負うこととなる。なお、指示を行う際には、自治体に資料や意見の提出を求めるなどの規定が明記されている。 地方制度調査会の「ポストコロナの経済社会に対応する地方制度のあり方に関する答申」では、新型コロナウイルス禍での国と自治体間の調整が難航したケースが例示されているが、これに加えて、岸田首相が昨年6月に「デジタル行財政改革」の名目での「国と地方の役割の再定義」を記者会見で明言した経緯もあり、デジタル化による国の役割の増加を背景に、国への再集権という意図も否定できない。言うまでもなく地方分権、国と地方は対等・協力の理念に逆行するものである。 まず「国民の安全に重大な影響を及ぼす事態」という指示権行使の前提の曖昧さが指摘される。国がいくらでも拡大解釈できるのは、安保法制の強行成立の際と酷似している。そして、各自治体の地理的特殊性や独自の事情を、東京にある政府中枢が適正に把握・判断できるのか、疑念を持たざるを得ない。コロナ禍の初期、安倍首相(当時)が唐突に全国一斉休校を要請し、自治体、学校、保護者が大混乱したことは記憶に新しい。本改正案では「要請」ではなく応じる義務を負う「指示」になり、国の権限は格段に強化されるのである。 たしかに人口減少で税収や人材の不足に直面する小規模自治体にとって、デジタル化、分権化の役割を担うことが難しくなっていることは否定できない。しかし、これらは、自治体間の広域調整機能や自治体支援機能の強化で乗り切ることができ、かつ、地方分権にかなう施策である。 全国知事会からは「国と地方の対等な関係が損なわれる」との懸念が出されている。 よって、本市議会は政府に対し、本国会での法案審議においては、日本国憲法の「地方自治の本旨」そして地方分権の理念にのっとり、国の指示権を拡充する地方自治法改正案の廃案を強く求めるものである。 以上、地方自治法第99条の規定により意見書を提出する。 令和6年3月26日 佐 倉 市 議 会 内閣総理大臣 総務大臣 デジタル大臣 宛 衆議院議長 参議院議長 |