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発議案番号 | 発議案第9号 | 提出者 | 松島梢 萩原陽子 藤崎良次 稲田敏昭 玉城清剛 |
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議決年月日 | 令和3年3月22日 | 結果 | 否決 賛成8人、反対19人 |
生活保護を必要な人が必要なときに受けられるよう制度の見直しを求める意見書 厚生労働省は1月6日、昨年10月分の生活保護申請は1万8,621件で、前年同月と比べ1.8%(335件)増えたと発表した。コロナ禍の影響で仕事や住まいを失い、生活保護申請は増え続けていると思われるが、依然として、日本は先進国に比べ生活保護の捕捉率は低い。日本弁護士連合会の調査によると、2018年度の捕捉率は韓国60%、イギリス87%、ドイツ85%、フランス90%に対し、日本はわずか19.7%にとどまる。 日本の捕捉率が国際的に群を抜いて低い背景には、生活保護は恥だとする風潮や、親族への扶養照会など申請をちゅうちょさせる制度設計がある。 新型コロナ感染症が拡大し、生活困窮者が増加する中、昨年12月、厚労省はウェブサイトに「生活保護の申請は国民の権利です。生活保護を必要とする可能性はどなたにもあるものですので、ためらわずご相談ください」とアップした。 しかし、申請をちゅうちょさせる制度そのものを変えなければ、今後も「ためらわずに相談する」ことは期待できない。以上のことから、以下の5点を強く要望する。 1 名称を「生活保護」から「生活保障」に変更すること。 本来生活保護は、健康で文化的な最低限度の生活をするために認められる権利(憲法25条)であり、「保護される」のではなく「保障される」ものである。諸外国を見ると、ドイツでは「社会扶助と失業手当U」、フランスでは 「積極的連帯所得手当」、イギリスでは 「所得補助」、スウェーデンでは「社会扶助」、デンマークでは「現金支援」、韓国では「国民基礎生活保障」という言葉を使っている。 2 扶養照会を廃止すること。 生活困窮者支援団体「つくろい東京ファンド」がこの年末年始に生活困窮者に行ったアンケート調査では、「生活保護を利用していない理由」として、「家族に知られるのが嫌」が34.9%と最も多かった。扶養照会があるために生活保護を忌避する実態が見てとれる。しかるに、同団体の2019年度の調査では、扶養照会から実際の扶養に結びついたのは東京都の場合、足立区で0.3%、台東区は0.4%、荒川区とあきる野市は0件だった。千葉県の調査でも、柏市が0.24%、松戸市が0.76%、千葉市が0.4%である。ほとんど扶養に結び付かない扶養照会を、三親等まで広げて、膨大な時間と人件費をかけて行う必要はないと考える。 3 生活保護を必要とする全ての人が安心して利用できる制度として強化すること。 福祉事務所が、従来の水際作戦で申請者を追い返すようなことがないよう厳正に指導し、住まいを持たない申請者が、無料低額宿泊所に入れられないよう、公営住宅や民間アパートに緊急入所できる制度を早急に構築すること。 4 生活保護費や事務費の自治体負担を無くし、国が負担することで、自治体の行政改革対象とさせないこと。 5 引き下げが続いている生活保護基準の引き上げを図ること。 以上、地方自治法第99条の規定により意見書を提出する。 令和3年3月22日 佐 倉 市 議 会 内閣総理大臣 厚生労働大臣 宛 |