発議案番号 | 発議案第10号 | 提出者 | 松島梢 萩原陽子 藤崎良次 稲田敏昭 玉城清剛 橋とみお |
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議決年月日 | 令和2年3月24日 | 結果 | 否決 |
日米地位協定が締結されて60年が経過した。沖縄では、地位協定が許容する範囲内でしか住民の人権が認められていない状況が、今も続いている。 1972年の沖縄返還後の米軍関係者による事件・事故は6,000件を超えるが、容疑者の身柄の引き渡しさえ、米軍の「好意的配慮」が必要とされる。民家の上空では、オスプレイなど米軍機の耐えがたい爆音が昼夜問わずまき散らされ、住民が生活や健康への重大な支障を訴えているにもかかわらず、「米軍の運用には我が国の主権が及ばない。国内法は適用されない」として、政府は根本的解決を図ろうとはしない。 また、近年、米軍基地を起因とする水源汚染が深刻になっているが、自治体が立ち入って調査することもできず、米軍には原状回復義務が免除されていることから、汚染は隠蔽・放置され、不安と負担が周辺住民と自治体に押しつけられている。 全国知事会では、平成30年、「日米地位協定の抜本的な見直し」を日米両政府に提言した。当時の翁長沖縄県知事の「基地問題は一都道府県の問題ではない」との訴えを受け、全国知事会議において全会一致で初めて採択されたものである。 沖縄県の調査によると、米軍基地のあるヨーロッパ各国では、米軍機の事故などがきっかけとなり、米軍にも国内法を適用して自国の主権を確立し、米軍の活動をコントロールしていることが判明している。韓国においても、長期にわたる交渉を重ね、韓国側の権利の拡大が続いている。また、フィリピン政府が「地位協定破棄」を米国に通達したのも記憶に新しい。 以上のことから、本議会は、国民の生命と財産を守るため、政府に対し日米地位協定を抜本的に見直すよう、強く要望するものである。 以上、地方自治法第99条の規定により意見書を提出する。 令和2年3月24日 佐 倉 市 議 会 内閣総理大臣 外務大臣 宛 |