発議案番号 | 発議案第6号 | 提出者 | 萩原陽子 五十嵐智美 藤崎良次 稲田敏昭 玉城清剛 |
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議決年月日 | 令和2年3月24日 | 結果 | 否決 |
昨年9月に発足した政府の全世代型社会保障検討会議は12月19日現在「原則1割」の75歳以上の高齢者の医療窓口負担に「2割負担」を導入することや、「兼業・副業」の推進などを盛り込んだ「中間報告」をまとめた。 この「中間報告」では、75歳以上の高齢者医療の負担について負担能力に応じたものへと改革していくとし、「一定所得以上」の人は医療費の窓口負担割合を2割とする方向性を打ち出した。今後、同会議などでさらに検討を進め、「団塊の世代」が75歳以上になり始める2022年度までに実施できるよう法制上の措置を講ずるとしている。 この他、紹介状なしで大病院(400床以上)を受診する場合に、定額負担(初診で5,000円以上、再診で2,500円以上)を求められる現行制度に、患者負担のさらなる増額と対象病院の拡大(200床以上)を盛り込んでいる。 また労働分野では現役の間から多様で柔軟な働き方を広げることで、雇用の選択肢を広げていくとの名目で、労働者が長時間労働に追い込まれる要因となる「兼業・副業」の推進を図る制度整備を、本年夏の最終報告に向けて検討していくとした。 さらに年金では、「マクロ経済スライド」によって、現在37歳〜38歳の人が年金を受け取り始める時まで給付削減を続け、基礎年金を現行より約3割、7兆円も削ろうとしている。削減の影響を最も受けるのは、若い世代となるのは明らかである。 「全世代型社会保障」の正体は、若者世代から高齢世代まで文字どおり全世代を対象にした社会保障の切り捨てであると言わざるを得ない。 そもそも日本国憲法第25条には「生存権」の保障及び国における社会保障の増進を図ることが明記されており、この精神に基づいた社会保障制度の充実が求められている。 よって、本市議会は国に対し、「全世代型社会保障」で国民に負担を強いるのではなく、憲法第25条に基づく社会保障の充実を求めるものである。 以上、地方自治法第99条の規定により意見書を提出する。 令和2年3月24日 佐 倉 市 議 会 内閣総理大臣 厚生労働大臣 宛 |