発議案番号 | 発議案第6号 | 提出者 | 五十嵐智美 萩原陽子 冨塚忠雄 木崎俊行 藤崎良次 |
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議決年月日 | 平成30年3月19日 | 結果 | 否決 |
米海兵隊普天間基地の「移設先」という名目で沖縄県名護市辺野古での新基地の建設工事が、沖縄県民の民意を無視し、現場で非暴力で抗議する市民を暴力的に弾圧しつつ進められている。政府と沖縄防衛局は、今夏にも護岸工事の一部を完成させ土砂投入を開始する方針を表明しているところである。 しかし昨年秋より、滑走路をはじめ基地の主要部分が建設される大浦湾の海底部に「活断層」があるのではないかとの問題が浮上している。この問題は、2000年に防衛庁(当時)が「代替施設建設協議会」に提出した「推定地層断面図」に、大浦湾海底部の50m以上の「落ち込み」について「基盤中の断層によると考えられる」と記載されていたことが発端である。 琉球大学名誉教授の加藤祐三氏(岩石学)は「落ち込みが比較的新しい時期にできていれば、海底に活断層が伸びている可能性がある」と指摘している。活断層は過去に地震を起こした形跡があり、将来も地震を起こす可能性がある。大量の弾薬や化学物質、燃料等を扱う軍事施設をその上に建設することは許されない。 さらに、この「落ち込み」が確認された「琉球層群」は軟質で浸食を受けやすい琉球石灰岩を含む地層であることは、沖縄防衛局公表の調査結果にも示されている。辺野古新基地の立地条件そのものが、根底から問われているとするべきであろう。 昨年11月、政府はこの活断層問題を取り上げた参議院での質問主意書に対して、「活断層」の存在を否定したが、「活断層」の疑いを明記している文献を意図的に無視したものであることが判明している。また、沖縄防衛局は2014年以来現在に至るまで延々と海上ボーリング調査と音波探査を続けているが、その調査結果は一切示されていない。 「耐用200年」とされる辺野古新基地の建設と運用は、すべて我が国が負担することになっている。事業主体である国が立地条件の適合性について主権者・納税者への説明責任を果たすことは当然である。 政府、防衛省においては現在の護岸工事を全面的に凍結し、「活断層」「琉球石灰岩層」をはじめ、本新基地建設に関わる諸問題について国民への徹底的な説明を行うことを強く要望するものである。 以上、地方自治法第99条の規定により意見書を提出する。 平成30年3月19日 佐 倉 市 議 会 内閣総理大臣 防衛大臣 衆議院議長 宛 参議院議長 |