発議案番号 | 発議案第1号 | 提出者 | 藤崎良次 五十嵐智美 萩原陽子 冨塚忠雄 |
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議決年月日 | 平成30年3月19日 | 結果 | 否決 |
政府は2018年の通常国会において、裁量労働制拡大の法案を制定しようとしていました。裁量労働制は、労使協定等により裁量労働をする職務を定め、みなし労働時間をもとに賃金を支給し、働いた時間に対し残業時間を計算せず、残業手当を支給しない制度です。 本年2月の国会審議の中で次のことが判明しました。すなわち、厚生労働省の提出した労働時間の調査結果では、裁量労働制で働く人の労働時間が通常の制度で働く人より短くなっていました。しかし、事実を確認してみると調査報告はずさんで、誤った集計が行われており、裁量労働制で働く人の方が労働時間は長いことが判明しました。つまり、政府は誤った調査結果をもとに、裁量労働制の拡大を推進しようとしていました。 政府は、経済成長させるために裁量労働制が必要と強弁し、強硬に裁量労働制の拡大を目指していました。しかし、経済成長だけを考えるのではなく、国民の豊かな生活を目指して政策を練る必要があります。政府は、裁量労働制の拡大により、営業職にも裁量労働制を導入しようとしています。課題解決型提案営業と言っていますが、現在の営業は顧客と話し合いをして企画立案型としてプレゼンテーションを行う営業が多くなっています。このような仕事をしている人に残業手当を支払わないことにすれば、労働時間が増えて生産性はさらに低下するでしょう。そして、国民の生活は疲弊するものとなり、過労死が増え少子化をさらに進めるものとなるでしょう。結果的に政府は、誤った調査であることを認め、法案から裁量労働制の拡大を取り下げました。 考えてみると、1980年代の不動産バブルに対する適切な対策を打てず、さらに、労働者の派遣を推進し格差の拡大をもたらし、東京一極集中に具体的な対策を打てず、原発神話を支えて取り返しのつかない事故を起こしてしまいました。それらは、経済成長を一番に求め続けた結果によるものです。 今、冷静に私たちは自分たちの生活を考えて、裁量労働制及びその拡大はやめて、国民の豊かな生活を目指して政策を練る必要があります。 よって本市議会は、裁量労働制及びその拡大には強く反対する。 以上、地方自治法第99条の規定により意見書を提出する。 平成30年3月19日 佐 倉 市 議 会 衆議院議長 参議院議長 内閣総理大臣 厚生労働大臣 宛 経済産業大臣 財務大臣 |