発議案番号 | 発議案第7号 | 提出者 | 伊藤壽子 萩原陽子 冨塚忠雄 藤崎良次 木崎俊行 |
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議決年月日 | 平成29年3月21日 | 結果 | 否決 |
報道によると、自民党は、議員立法により「家庭教育支援法案」を今通常国会提出を予定とのことである。本法案は家族を「社会の基礎的な集団」として定めたうえで、「生活のために必要な習慣を身に付けさせる」「保護者が子に社会との関わりを自覚させ、人格形成の基礎を培い、国家と社会の形成者として必要な資質を備えさせる環境を整備する」ことを目的とし、「国と自治体、学校、地域住民などの連携の下、社会全体で取り組む」ものとされている。具体的には、地域住民が「国及び地方公共団体が実施する家庭教育支援に関する施策に協力するように努める」ことを「責務」と位置づけている。 しかしながら、日本国憲法第13条において「すべて国民は、個人として尊重される」とされ、同第24条においても「個人の尊厳と両性の本質的平等」がうたわれていることからすれば、本法案は法という国家介入により「家族・家庭」の役割並びに親子の役割、ひいては男女の役割をも固定するものである。さらには人間形成上一定の価値観を強要することで、個人を単位とする多様な生き方を侵害するものと危惧せざるを得ない。 確かに、法案の前提とされる現今の核家族化の進行や家庭と地域社会の関係希薄化は否定できないが、それが一義的に教育や社会の諸問題の原因とは言えず、家族や家庭教育のあり方への国家や行政の介入により解決が図られるものではないことは明らかである。むしろ、家庭生活を支える種々の社会保障政策の充実こそが必要であり国民から求められていることは、待機児童問題一つを見ても明白である。 政府においては、ことさらに「家庭教育」を強調して教育における公的な役割を縮小する方向に向かう「家庭教育支援法案」の国会提出を撤回するよう関係方面に働きかけることを強く求めるものである。 以上、地方自治法第99条の規定により意見書を提出する。 平成29年3月21日 佐 倉 市 議 会 内閣総理大臣 文部科学大臣 宛 |