発議案番号 | 発議案第6号 | 提出者 | 伊藤壽子 萩原陽子 冨塚忠雄 藤崎良次 木崎俊行 |
---|---|---|---|
議決年月日 | 平成29年3月21日 | 結果 | 否決 |
政府は今通常国会に、過去3回にわたって廃案となった「共謀罪」規定を含む法案を、「組織犯罪集団に係る実行準備行為を伴う犯罪遂行の計画罪」(略称「テロ等組織犯罪準備罪」)を新設し、提出する意向とのことである。 新法案においては、適用対象を単なる「団体」から「組織的犯罪集団」とし、「目的が長期4年以上の懲役・禁錮の罪を実行することにある団体」としている。さらに犯罪の遂行を「2人以上で計画した者」を処罰、「犯罪の実行のための資金又は物品の取得その他の準備行為が行われたとき」という要件を付し、旧法案への批判に配慮したとのことである。 しかし、新法案の「計画」と旧法案の「共謀」との差異は認められず、「準備行為」に「その他の準備行為」が記載されているため、いかようにも解釈が可能となる曖昧で広範な概念である。処罰対象の限定とは考えられない。また、「長期4年以上の懲役・禁錮の罪」の規定にしても、対象犯罪は現時点で676にも及ぶ。「組織的犯罪集団」に関する捜査機関の恣意的解釈により、摘発対象はどこまでも拡大される恐れがある。 さらに、昨年の「刑事訴訟法改正」により通信傍受の対象が拡大されている。「テロ等組織犯罪準備罪」との関連で、テロ対策の名の下に憲法の保障する一般市民の思想・良心及び表現の自由、通信の秘密やプライバシーの侵害が行われ、「特定秘密保護法」とも相まって、民主主義を機能不全に陥らせる危険性が大きい。 政府が主張する「テロ対策」であれば、わが国は組織犯罪対策法をはじめとして組織犯罪を未然に防ぐ多様な制度をすでに備えている。 政府においては、国民の人権を極端に侵害し、戦前の治安維持法の復活とまで言われるいわゆる「共謀罪」新法案の国会提出の撤回を行うよう強く求めるものである。 以上、地方自治法第99条の規定により意見書を提出する。 平成29年3月21日 佐 倉 市 議 会 内閣総理大臣 法務大臣 宛 |