発議案番号 | 発議案第11号 | 提出者 | 五十嵐智美 萩原陽子 冨塚忠雄 藤崎良次 |
---|---|---|---|
議決年月日 | 平成28年6月27日 | 結果 | 否決 |
昨年度は2014年介護保険法改正が実施され、特別養護老人ホームの新規利用が要介護3以上に制限され、「一定以上の所得者」の利用料の倍増、食費・居住費などの自己負担の強化が行われた。また、2017年度までに要支援1・2の訪問介護と通所介護を給付からはずし、市町村の地域支援事業に移行することが予定され、相次ぐ制度改正は、超高齢社会の国民生活に大きな不安を与えている。制度があってもなお、家族など介護者への負担は大きく、介護殺人や介護心中など悲惨な事件が相次いで起こっている。また、介護労働者の入離職は激しく、制度の存続そのものを脅かすまでになっている。 このような状況のなか、安倍総理大臣は「ニッポン一億総活躍プラン」を公表し、「介護離職ゼロ」を掲げた。 ところが、次期介護保険改定に向けて、社会保障審議会に示されている検討内容は、利用料2割負担層の拡大、「軽度者」に対する訪問介護と通所介護の地域支援事業移行、訪問介護の生活援助と福祉用具貸与の自己負担化等々、国民の介護実態を直視したものとは言えず、「安心につながる社会保障」や「介護離職ゼロ」とはかけ離れている。これでは、「保険あって介護なし」が進行し、介護不安や介護離職を防ぐどころか増大させるばかりである。2014年改正の利用者や介護者への影響を把握、検証することなく、次の見直しについての検討がされることを強く懸念する。 よって、誰もが願う「介護離職ゼロ」が達成できるよう以下の3項目の実現を強く求める。 1 「生活援助」を含む訪問介護、通所介護、福祉用具貸与は在宅介護の基幹サービスであり、給付の継続、拡大をはかること 2 利用料や自己負担の引き上げの検討には、負担増を理由とする利用の中止や削減が生じない合理的な設計をすること 3 「介護離職ゼロ」の緊急対策には、安定的な在宅介護を可能とするため、介護職員の給与引き上げの具体策を検討すること 以上、地方自治法第99条の規定により意見書を提出する。 平成28年6月27日 佐 倉 市 議 会 内閣総理大臣 財務大臣 宛 厚生労働大臣 |