発議案番号 | 発議案第2号 | 提出者 | 木崎俊行 萩原陽子 伊藤壽子 冨塚忠雄 藤崎良次 |
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議決年月日 | 平成27年9月24日 | 結果 | 否決 |
発議案第2号 改正労働者派遣法の実施中止を求める意見書 今国会で成立した「労働者派遣事業の適正な運営の確保及び派遣労働者の保護等に関する法律」(労働者派遣法)の改正は、これまで派遣先企業が、同じ業務に3年以上同一の派遣労働者を受け入れ続けた場合は、直接雇用が義務付けられていたものが、今後は過半数労働組合等の意見聴取だけで、反対されても派遣期間を延長できることになる。また、3年で派遣労働者を入れ替えれば、いつまでも派遣労働者により業務を続けることが可能になるものである。 これでは、派遣労働者は3年を超えても、同じ企業の職場を転々とさせられるだけで、直接雇用の道はなくなり、文字通り「生涯派遣」の身となるのである。そればかりか、低賃金の派遣労働者を無期限で受け入れ可能になれば、コストの高い正社員との「常用雇用の代替」が進むのは明らかである。 企業にすれば、派遣労働者に置きかえることで直接の雇用責任がなくなり、社会保険料の負担を回避でき、賃上げや労働時間など待遇改善の交渉に応ずる義務はなくなる。また、景気次第では簡単に「派遣切り」が可能になるものである。 これは、改正前の労働者派遣法で「臨時的・一時的業務に限る」、「常用雇用の代替であってはならない」と禁止した大原則の廃止であり、戦後の日本の雇用形態を根本的に変えることになる。 労働基準法は「労働条件は、労働者が人たるに値する生活を営むための必要を充たすべきもの」、「労働者と使用者が、対等の立場において決定すべきもの」として、労働者が人材派遣会社から公然と「ピンハネ」される間接雇用を禁止してきた。 企業が労働者を雇用する場合は、ハローワーク等を利用して募集し、応募した労働者との間で直接雇用契約を交わし、採用するのが職業安定法や労働基準法の本来の姿である。 また、与党が強行した9月30日への施行日修正では円滑な施行などできません。41項目以上の省令・指針を労働政策審議会で検討しなければならず、周知期間はわずかしかなく、大混乱を招くことは必至です。 よって、本市議会は国に対し、改正労働者派遣法の実施中止をするよう強く求めるものである。 以上、地方自治法第99条の規定により意見書を提出する。 平成27年9月24日 佐 倉 市 議 会 内閣総理大臣 厚生労働大臣 衆議院議長 宛 参議院議長 |