発議案番号 | 発議案第5号 | 提出者 | 冨塚忠雄 五十嵐智美 萩原陽子 高木大輔 上ノ山博夫 |
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議決年月日 | 平成26年12月15日 | 結果 | 原案可決 |
財務省は本年10月27日の財政制度等審議会において、2011年度から小学1年生だけに導入されている「35人学級」を40人学級に戻すよう文部科学省に求める方針を示した。その理由は「35人学級に引き下げてもいじめや不登校、暴力行為が増加し、効果が認められない」としており、また、40人学級に戻せば教職員を約4,000人減らすことができ、国の負担が約86億円削減できることも理由に挙げている。 しかし、導入後2年間だけで「効果がない」と結論づける財務省の判断は乱暴である。少人数学級だからこそ、いじめの認知件数は教員が見逃さずにカウントすれば大きく増えるので、むしろ効果がある。 一方、文部科学省は、これまでの少人数教育や教職員の指導力向上への取り組みを踏まえ、きめ細かい指導体制の整備を図っていくことが重要であり、35人学級が望ましいとしている。 全ての子どもに行き届いた教育を実現するために、少人数学級の実施は欠かすことができない。少人数学級は、生徒一人一人の個性に応じたきめ細かい指導が可能になることから、山積する教育課題の解決や、教職員の負担軽減を図る上で効果的である。効率性や費用対効果などの主張もあるが、人間形成の上で重要な学校教育予算を削減し、子どもを犠牲にしようとする発想は許されない。 少人数学級の推進は、我が国の義務教育水準の維持向上を図る上で重要であるため、厳しい財政状況の地方公共団体に負担を強いることなく国の責任において着実に実施する必要がある。さらには、日本の教育費は国内総生産(GDP)比で経済協力開発機構(OECD)諸国中の最下位レベルであり、我が国の教育水準のさらなる向上のため、教育における政府支出の一層の引き上げが必要である。 よって、本市議会は国に対し、35人学級について、国の責任により今後も引き続き堅持し、教育予算の増額を強く求めるものである。 以上、地方自治法第99条の規定により意見書を提出する。 平成26年12月15日 佐 倉 市 議 会 内閣総理大臣 財務大臣 文部科学大臣 宛 衆議院議長 参議院議長 |