発議案番号 | 発議案第7号 | 提出者 | 大野博美 伊藤壽子 冨塚忠雄 萩原陽子 上ノ山博夫 |
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議決年月日 | 平成25年10月1日 | 結果 | 否決 |
報道によると、安倍内閣は十月の臨時国会に「秘密保全法案」を提出し、成立を目指すとのことであるが、本法案は次のような重大な問題点を有する。 一、「防衛」「外交」「安全脅威活動の防止」「テロ活動防止」の四分類に関する事項を対象に、「特段の秘匿の必要性」があるとされる機密を「特定秘密」に指定し、規制の対象とするとしているが、指定するのは各行政機関の長である。国民が知るべき重要情報が、時の権力者の都合で国民の目から隠されてしまう危険性が極めて大きい。 二、「最高懲役十年」と「厳罰化」される処罰の対象者として、国家公務員に加え、独立行政法人、地方公共団体、さらには民間事業者・大学等、政務三役ら政治家も加えられている。規制対象となる行為としても、漏洩行為の独立教唆、扇動行為、共謀行為に加え、新たに「特定取得行為」と称する秘密探知行為についても処罰しようとしており、メディアによる取材行為が処罰対象となる可能性がある。国民の「知る権利」が大きく制限されることになる。 三、秘密情報取り扱い者への「適正評価(クリアランス)」が実施され、思想信条も含む個人情報の徹底的な調査と管理が行われる。しかも調査は本人の周辺にいる者にまで及び、重大なプライバシー侵害となる恐れがある。 こうした内容面の問題に付け加えて、今回セットで提出される予定の「国家安全保障会議設置法案」は「集団的自衛権行使」を目的とするものであることが明らかである以上、「秘密保全法案」の成立は実質的「憲法九条改悪」の先取りとなる。 主権者である国民の間での秘密保全法制についての議論が十分になされておらず、いわんや「集団的自衛権行使」についての国民的議論も一切なされていない中で、なし崩しに国民の「知る権利」を制限し、日本国憲法の原則である「平和主義」の根幹を揺るがすことになる本法案の国会提出の断念を強く求めるものである。 右、地方自治法第九十九条の規定により意見書を提出する。 平成二十五年十月一日 佐 倉 市 議 会 内閣総理大臣 総務大臣 法務大臣 宛 衆議院議長 参議院議長 |