発議案番号 | 発議案第6号 | 提出者 | 五十嵐智美 冨塚忠雄 萩原陽子 |
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議決年月日 | 平成25年3月25日 | 結果 | 否決 |
政府は一月二十九日、生活保護費のうちの「生活扶助」の基準額を本年八月より六・五%引き下げることを閣議決定した。この結果、とりわけ都市部の子どものいる家庭などを中心に最大一〇%の減額が行われることになる。さらに「期末一時扶助」の見直しや「医療扶助」の減額方針も決まっており、二〇〇四年以来の基準額の大幅引き下げとなる。 今回の引き下げの主たる理由として、「低所得者の生活費より生活扶助が高い逆転現象」が挙げられている。しかし、生活保護の捕捉率はわずか二〇%で、本来生活保護を受けるべき低所得層の八〇%が利用できていない。そのような人々と比較して逆転だと論じるのは恣意的で、「引き下げありき」の結論を引き出すための方便と言わざるを得ない。 さらに、生活保護支給基準の引き下げは、受給者の収入減、生活困窮者の制度利用への道を狭めることのみではなく、次の三点のような国民生活全般への多大な影響が懸念される。 一つ目は、二〇〇七年改定の最低賃金法に生活保護との整合性が明記されたため、最低賃金の引き下げへの道を開くことになる。 二つ目は、生活保護基準額を参考とする就学援助制度への影響であり、就学援助を受けることの出来ない世帯が増加する。 三つ目は、生活保護基準額を参考とする住民税非課税限度額への影響であり、非課税世帯から外されれば、連動して保育料、医療費、介護費の負担の増加となる。 国においては、国民生活の冷静な分析と、慎重な議論・検討を行い、生活保護基準の引き下げを取りやめるよう強く求めるものである。 右、地方自治法第九十九条の規定により意見書を提出する。 平成二十五年三月二十五日 佐 倉 市 議 会 内閣総理大臣 厚生労働大臣 宛 衆議院議長 参議院議長 |