発議案番号 | 発議案第5号 | 提出者 | 大野博美 上ノ山博夫 冨塚忠雄 萩原陽子 |
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議決年月日 | 平成24年12月17日 | 結果 | 否決 |
政府は十一月三十日「社会保障制度改革国民会議」の初会合を開いた。国会議員は含まず、有識者十五名による「国民会議」は、来年八月二十一日までに年金、医療、介護、少子化対策等の結論を得るとされている。 会議の根拠法である「社会保障制度改革推進法」には、社会保障費の抑制が基本的な考え方として明記されており、この会議での議論はこの方向性に沿って進められる危険性がある。 同法一条では「社会保障費の増大の結果、国と地方の財政状況が悪化している」と強調し、二条一項では「自助」の役割を強調しつつ「国民が自立した生活を営むことができるよう家族相互、国民相互の助け合いの仕組みを通じて、実現を支援する」と明記。さらに同条二項では「税金や社会保険料を納付する者の立場に立って、負担の増大を抑制」としている。 これは日本国憲法第二十五条に規定されている「生存権」を担保すべき国の責任をほとんど放棄し、国民の自己責任へと転嫁することにほかならず、社会保障制度の理念である国の生存権保障を否定することである。 さらに、六条では「医療保険制度に原則として全ての国民が加入する仕組みを維持する」と、あえて「原則として」という文言を加えることで、国民皆保険制度の解消、混合診療の導入を示唆している。 今後、社会保障制度改革国民会議の議論においては、憲法に抵触するおそれすらある同法の内容に左右されることなく、現今の日本社会の現状を冷静に分析し、社会保障制度の理念を確認・強化する方向での慎重で真摯な議論を進めることを強く求める。 右、地方自治法第九十九条の規定により意見書を提出する。 平成二十四年十二月十七日 佐 倉 市 議 会 内閣総理大臣 厚生労働大臣 宛 |