発議案番号 | 発議案第3号 | 提出者 | 上ノ山博夫 五十嵐智美 冨塚忠雄 萩原陽子 |
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議決年月日 | 平成24年6月25日 | 結果 | 否決 |
二〇一一年三月十一日に発生した東日本大震災において、東京電力福島第一原子力発電所は大きな被害を受け、重大事故を起こし多量の放射能を放出し甚大な被害を各地に与えた。佐倉市民にもその影響が大きく及んでおり、各小学校などで除染工事が行われたが、放射性物質を直ぐに消すことはできずに、汚染の中で暮らしていると言える。その様な中で、政府は原子力発電所(原発)のストレステストを行い、その結果により原子力発電所を再稼働するか否かを決めるとしている。なお、国内の原子力発電所は北海道電力泊三号が五月五日に定期点検入りして、すべて停止した。 原発の再稼働については、福島原発事故の実際の大きさから考え、二度と繰り返してはならないものであり、二度と事故が起きない確信が必要である。しかし、現在の原発の安全性の判断を示すべき国の原子力安全委員会(内閣府)は「原発は安全なものである」との判断を下せない状態である。代わりに、原発の安全に関しては素人である政府の閣僚が責任を持つと言って安全性を判断し、周辺自治体の理解を得ようとしている極めて危険な状態である。 二度と起こしてはならない原発事故であるが、これまで原子力安全・保安院がその任務に当たってきた。しかし、事故によりその信用は大きく揺らぎ、その体質についても納得できないものであった。新たに原子力規制庁を作り、原子力の安全を確保する考えだが、その規制庁もできていない。 今夏の電力不足が、特に関西電力で言われているが、目先の電力不足のみを考えて原発を再稼働することには大きな危険がある。各電力会社は発電設備の稼働状況などの情報公開を十分に行うと共に、電力不足解消へ最大の努力をするべきである。 原発事故による放射能汚染は汚染された土地を使用不能にしてしまい、電力不足とは比較にならない被害を受けることになる。電力不足に対しては、節電、原子力以外の既存発電設備の十分な活用、原発以外の発電設備の新設、自然エネルギーの活用などで取り組むべきである。 よって本市議会は、左記事項について強く要請するものである。 記 原子力発電所の再稼働をさせないことを求める。 右、地方自治法第九十九条の規定により意見書を提出する。 平成二十四年六月二十五日 佐 倉 市 議 会 衆議院議長 参議院議長 内閣総理大臣 経済産業大臣 宛 文部科学大臣 環境大臣 |