発議案番号 | 発議案第6号 | 提出者 | 五十嵐智美 伊藤壽子 冨塚忠雄 萩原陽子 |
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議決年月日 | 平成23年10月3日 | 結果 | 否決 |
三・一一東日本大震災と東京電力福島第一原子力発電所の大事故を契機に、わが国の電力供給体制に対する根本的見直しの機運が高まっている。 一九五一年に発電・送電・配電を一貫して電力会社が担う体制が確立して以来、全国で電力の一社独占状態が続いてきた。九十年代末から今世紀初めにかけて電力自由化が議論され、二〇〇〇年に電気事業法の改正をみたが、ごく部分的に自由化が認められたのみである。 その中で、自前の電力を供給販売する特定規模電気事業者(PPS)が、契約先の自治体が次々と電気代節約を達成していることから注目をあびている。しかし、送電線を支配する大手電力会社に支払う送電線使用料が極端に高いため、参入する事業者がなかなか増えず、全電力供給の一%強、自由化領域での二%強を占めるにとどまっている。 しかるに、今回の震災と原発事故で、地震に対する原発のリスクの大きさはもちろんのこと、巨大発電設備、とりわけ原発に依存した東京電力など大手独占の電力供給体制のもろさも明らかとなった。 太陽光、風力、バイオマスなどの自然エネルギーの小規模電力を、地域の特性に合わせてスマートグリッドでネットワークさせる分散型システムは、災害時の対応にもすぐれており、これまでの電力供給能力拡充の根拠とされた夏期ピーク時の最大電力消費量の抑制にもなる。さらに、地域の活性化、地球温暖化対策への効果も期待される。 これら自然エネルギーを普及させつつ、電力の安定供給を維持するためには、発電と送電を切り離し、送電の公共性を重視した国有化を行うことが不可欠である。更に、送電の国有化は、PPSの新規参入を促し、電力の完全自由化と電気料金低減につながる。 よって、政府に対し、安全と持続可能性を第一とした電気エネルギー供給の体制構築のためにも、発送電分離と送電の国有化を強く求めるものである。 右、地方自治法第九十九条の規定により、意見書を提出する。 平成二十三年十月三日 佐 倉 市 議 会 内閣総理大臣 文部科学大臣 宛 経済産業大臣 |