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発議案第10号 能登半島地震を受け、稼働中原発の即時停止と原子力災害対策指針の抜本的見直しを求める意見書

発議案番号 発議案第10号 提出者 松島梢
伊藤とし子
木崎俊行
稲田敏昭
石井昇
議決年月日 令和6年3月26日 結果 否決
賛成8人、反対19人
 本年1月1日に発生した能登半島地震は、我が国の原子力政策に重大な課題を突きつけた。とりわけ今回明らかになったのは、原発事故時の避難計画の非現実性である。
 原子力規制委員会が作成した「原子力災害対策指針」に基づき、各当該自治体は「避難計画」を策定している。その基本は「屋内退避(原発から半径30キロメートル圏内)」「避難(原発から5キロメートル圏内)」「安定ヨウ素剤の配布と服用」の3点であるが、今回その全てが機能しなかった。  
 家屋の倒壊・損傷・火災が大規模に発生し、津波も発生したため、「屋内退避」ではなく一刻も早い避難が必要であった。しかし、道路が寸断され、陸路はもとより海路・空路での避難も困難となり、多くの住民が救助や救援物資、医療の提供も不十分な状態に置かれた。安定ヨウ素剤の配布も自治体職員には行う余裕がなかった。さらに、モニタリングポストの欠測、通信網も機能しない地域もあり、線量や避難指示などの情報不足も深刻となった。  
 能登半島と同様の、交通網が脆弱で孤立しやすい地域に多くの原発を建設してきた我が国は、地震・複合災害による原発過酷事故で生じる具体的な事態を想定せず、非現実的な原子力災害対策指針と避難計画を策定してきた事実を猛省する必要がある。
 チェルノブイリ原発、福島第一原発の両過酷事故で示されたように、原発の5防護階層による「深層防護」第1層から第4層は大事故時には全く機能しない。そして、住民を守る最後の第5層である避難計画も実行できないことがはっきりした以上、現在稼働中の原発を即刻停止させ、再稼動計画も凍結させ、国の責任において原子力災害対策指針と避難計画の抜本的な見直しを行うべきと強く要望する。同時に、活断層による地震動評価の徹底的な再検証をはじめ、地震大国である日本に、複雑な配管の塊である原発を多数建設してきた国の原子力政策の根本的な見直しもここに強く求めるものである。

 以上、地方自治法第99条の規定により意見書を提出する。
   令和6年3月26日
  佐 倉 市 議 会

内閣総理大臣
環境大臣
経済産業大臣     宛
原子力規制委員長
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