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議員提出議案の詳細情報

発議案第12号 理解と合意なきALPS汚染水の海洋放出中止を求める意見書

発議案番号 発議案第12号 提出者 五十嵐智美
木崎俊行
稲田敏昭
宇田みおこ
議決年月日 令和5年7月3日 結果 否決
賛成7人、反対20人
 政府は、「関係者の理解なしには、いかなる処分も行わない」という、政府と東京電力の福島県漁業協同組合連合会や全国漁業協同組合連合会に対する2015年の文書約束をほごにして、2021年4月13日、汚染水の海洋放出を決定し、現在、海底トンネルや配管敷設工事を強行しており、今年の夏頃には放出が始まる見込みである。
 汚染水の海洋放出に関しては、漁業者はじめ福島県内農林水産業・消費者の協同組合、また、福島県内や宮城県など周辺自治体はもとより、全国の自治体議会から、多くの反対意見や慎重な対応を求める声が上がってきている。さらに、アジアの近隣諸国をはじめ、昨年の国連総会で大統領が反対演説を行ったミクロネシア連邦やオーストラリアなど16か国が加盟する太平洋諸島フォーラムや、全米海洋研究所協会など、国際的にも海洋汚染を懸念する声が高まっている。
 約132万トンを超えるタンク貯蔵汚染水を、年間22兆ベクレルを上限に33年間放出する本計画は、トリチウムや炭素14を含めた核種を告示濃度限度以下にして流すとされているが、海水で薄めても放射性核種の総量は同じである。放出水に含まれる全ての放射性核種の定量確認もないまま、多量の放射性核種を福島の海に流せば、太平洋に広がり、海洋環境が汚染されていくのは確実である。
 また、海底トンネルを通じて水深12メートルの海底から放出する計画であるにもかかわらず、東京電力のモニタリング計画では、表層の海水しか採取しないとされており、汚染実態の解明把握には程遠い実態である。
 以上のことから、下記の項目の実施を強く求めるものである。

                      記

1 海洋放出に関しては、「関係者の理解なしには、いかなる処分も行わない」とする福島県漁連等との文書約束を守り、理解と合意のないまま、汚染水の海洋放出は行わないこと。
2 政府は東京電力に対し、放出する全放射性核種の濃度、総量等の全情報を公開し、海底土や海浜砂、生物への吸着と濃縮による放射能の蓄積とフィードバックを再評価して、原子力規制委員会に改めて補正書を提出するよう求めること。
3 汚染水対策について、地下水の止水、大型タンク長期保管案やモルタル固化保管案等の検討、トリチウム分離技術の実用化など、早急に確立すること。
4 福島県はじめ全国で、汚染水海洋放出についての説明・公聴会を東京電力とともに開催し、国民的議論を行うこと。
 
 以上、地方自治法第99条の規定により意見書を提出する。
  令和5年7月3日

佐 倉 市 議 会
内閣総理大臣
経済産業大臣        宛
原子力規制委員会委員長
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