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発議案番号 | 発議案第6号 | 提出者 | 五十嵐智美 萩原陽子 稲田敏昭 |
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議決年月日 | 令和3年12月13日 | 結果 | 否決 賛成6人、反対20人 |
2021年11月26日、厚生労働省はHPVワクチンの積極的接種勧奨の再開を決定した。これにより2013年6月から中断していた接種勧奨の通知が、来年4月から対象者に届くようになる。 しかし、現在も続く副反応被害の重大さとHPVワクチンの有効性・安全性に照らせば、積極的勧奨を再開すべきではない。 積極的勧奨の中止の理由となった副反応は、頭痛、全身の疼痛、感覚障害(光過敏、音過敏、嗅覚障害)、激しい生理痛、脱力、筋力低下、不随意運動、歩行障害、重度の倦怠感、集中力低下、学習障害、記憶障害、発熱、月経異常、過呼吸、睡眠障害など、全身に及ぶ多様な症状が一人の患者に重層的に現れるという、非常に重篤なものである。その重篤性、危険性は、副作用被害救済の認定頻度からも明らかで、被害救済は極めて不十分であるにもかかわらず、日常生活が著しく制限される程度の障害の認定頻度は、主な定期接種ワクチンと比べて20倍以上高くなっている。 副反応の治療法は確立しておらず、被害者は現在も重い症状に苦しんでいる。HPVワクチンの専門的な治療を行っている医療機関は全国でもわずかであり、遠い医療機関への入通院は患者に重い負担となっている。そもそも適切な治療を受けられない被害者も少なくない。 厚労省は各都道府県に協力医療機関を設置したと公表しているが、協力医療機関体制は機能しておらず、治療を受けても症状の改善は見られず、それどころか差別的な対応をされる例が後を絶たないなどの問題もあり、多くの被害者は受診を断念している。 副反応に対する被害救済給付も不十分で、国が因果関係を明確に認めていない中で、請求しても不支給とされるケースが多くある。また、給付が認められた被害者も、その多くは一部の期間の医療費・医療手当だけであり、重篤な健康被害に対する補償としては極めて不十分である。 副反応は日常生活や就学に重大な影響を及ぼしている。小学6年から高校1年で接種した被害者たちは、進学や将来の目標を断念せざるを得なかったが、社会に出る年齢になった現在、副反応が就労の重大な障害となっている。生活支援が切実に求められているが、厚労省が設置させた都道府県の相談窓口はそのような支援には対応していない。 一方で、日本において、子宮頸がんの年齢調整罹患率及び年齢調整死亡率は2010年代以降ほぼ横ばいであり、若年女性の子宮頸がん罹患率及び死亡率が上昇しているという疫学状況も存在していない。 また、子宮頸がん検診については、死亡率や罹患率を減少させる効果がすでに実証されており、副反応被害を引き起こす危険がなく、かつ費用対効果はワクチン接種より勝っている。 積極的勧奨が中止されていた8年間に、副反応症状の病態や因果関係を示す研究が積み重ねられてきており、厚労省の審議会も、一定の限度のHPVワクチン接種との因果関係を認めている。 こうした中で接種者数が増えれば、被害者も再び増加することは確実である。現に、積極的勧奨が差し控えられている近年にも、HPVワクチンを接種して重い副反応症状に苦しむ被害者が新たに確認されている。 治療法は確立しておらず、協力医療機関体制も機能せず、被害救済も極めて不十分という現状では、新たな副反応被害者も、これまでの被害者同様に過酷な状況に置かれることは明らかであり、そのような事態は決して許されるものではない。 以上の理由から、以下を強く求めるものである。 1 HPVワクチン接種勧奨再開を速やかに中止すること。 2 HPVワクチンを受けた人の健康状態の長期追跡調査を実施すること。 3 HPVワクチンの被害者を実際に数多く診療している医師らからなる研究班を設置して、副反応の効果的な治療法を開発する研究を促進すること。 4 被害者の意見を踏まえて治療体制を見直し、生活、教育、就労の支援策を講じること。 5 HPVワクチンに対する救済制度の運用を見直し、十分な救済を行うこと。 6 検診の促進を図ること。 以上、地方自治法第99条に基づき提出する。 令和3年12月13日 佐 倉 市 議 会 内閣総理大臣 厚生労働大臣 宛 |