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議員提出議案

詳細情報

議案名

発議案第3号 福島第一原発の汚染水対策を最優先させることを求める意見書

提出者

五十嵐智美
上ノ山博夫
萩原陽子
冨塚忠雄

本会議議決結果

議決日:平成27年3月16日
議決結果:否決(起立少数)

内容

東京電力福島第一原発の排水溝から、高濃度の汚染水が外洋に漏出している問題で、原子力規制委員会は2013年11月に、東電から漏出の報告を受けていたにも関わらず、排水溝の付け替えなど有効な対策を明確に指示していなかったことが、2月25日の新聞報道で明らかになった。現在も、外洋への汚染は続いている。
東電は2013年11月には、外洋への汚染水漏出の兆候をつかみ、2014年4月には、放射性物質の濃度測定を開始。日常的に汚染された水が海に流れ、雨になると濃度が急上昇する状況を明確につかんでいた。8月には、1リットル当たりセシウムが1010ベクレル、骨にたまりやすいストロンチウムなどは1500ベクレルと、法令で放出が認められている濃度基準を大幅に上回る数値が検出されている。
このような危機的状況であるにもかかわらず、原子力規制委員会は東電に測定データを要求せず、東電がどのような対策を練っているのか積極的に把握しようともせず、今年2月24日に東電が高濃度汚染水の漏出データを報告するまで、明確に状況を把握できていなかった。職務怠慢どころか、国民に対する背信行為と言わざるをえない。また、異常な汚染状況のデータを1年以上公表しなかった東京電力の隠ぺい体質も重大な問題であり、漏出そのものも公害犯罪処罰法を適用されるべき事態である。
政府は今回の汚染水漏出を「港湾外の海水の濃度は法令告示濃度に比べ十分に低い。汚染水はコントロールされている」と発表したが、「雨のたびに通常の100倍もの濃度の汚染水が外洋に直接放出されていて、魚等に影響が出ないはずはない」と指摘する専門家も多く、地元漁協も「信頼を踏みにじられた」と猛反発している。
汚染水対策に関しては、「氷の壁」で遮断する凍土方式も失敗し、何ら有効な手だても見いだせていない。政府は、廃炉の入口である汚染水対策を何よりも最優先させるべきであり、以下を強く求める。

1.実効性ある汚染水対策を速やかに実施すること。
2.東電に対し、汚染水に関する全てのデータを公表させること。
3.汚染水問題が解決されない限り、原発再稼働に関する全ての審議を中断すること。

 以上、地方自治法第99条の規定により意見書を提出する。
平成27年3月16日
佐 倉 市 議 会
内閣総理大臣   
経済産業大臣   宛
衆議院議長
参議院議長

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