請願第40号 「義務教育費国庫負担制度の堅持に関する意見書」採択を求める請願
受理日:平成22年5月27日
付託委員会:文教福祉
付託日:平成22年6月14日
審査日:平成22年6月22日
審査結果:採択(全員賛成)
議決日:平成22年6月28日
議決結果:採択(起立全員)
望月清義
岡村芳樹
冨塚忠雄
兒玉正直
伊藤壽子
藤崎良次
押尾豊幸
【請願事項】
平成23(2011)年度予算編成にあたり「義務教育費国庫負担制度の堅持を求める意見書」を貴議会において採択していただき、政府及び関係行政官庁あてに意見書をご提出いただきたくお願い申し上げます。
【請願理由】
貴議会におかれましては、日ごろより学校教育への深いご理解とご配慮をいただき深く感謝申し上げます。
義務教育は、憲法の要請に基づき、子どもたち一人ひとりが国民として必要な基礎的
資質を培うためのものです。教育の全国水準や機会均等を確保する義務教育の基盤づくりは、国の責務であり、そのために設けられたのが義務教育費国庫負担制度です。
政府は、2009年11月に、行政刷新会議において、義務教育費国庫負担制度を事業仕分けの対象として論議しました。また、「地方主権」を確立するため、今夏にも「地域主権戦略大綱(仮称)」を策定するとしています。その中で、国から地方への補助金を廃止し、地方が自由に使える「一括交付金」の検討を開始しています。義務教育と社会保障の必要額は確保するとしていますが、義務教育費国庫負担制度についても論議される可能性があります。
現在、35人学級などの学級定員規模を縮小する措置が、都道府県単費で行われています。このように、現行制度でも自治体の裁量権は保障されています。しかし、国民に等しく義務教育を保障するという観点からいえば、財政的に最低保障として下支えしている義務教育費国庫負担制度は必要不可欠です。この制度が廃止され、一括交付金が現実のものとなった場合、自治体によっては「40人学級」や「教職員定数」が維持されないことが危惧されます。このように、義務教育費国庫負担制度が廃止された場合、義務教育の水準に格差が生まれることは必至です。
学校の基幹職員である学校事務職員・学校栄養職員を含め、教職員の給与を義務教育費国庫負担制度から適用除外することは、「義務教育費国庫負担法」第一条に明記されている「教育の機会均等とその水準の維持向上」という目的に反するばかりでなく、財政負担を地方自治体に課し、厳しい地方財政をさらに圧迫するものです。また、義務教育の円滑な推進を阻害するおそれも出てきます。よって、私たちは義務教育費国庫負担制度の堅持を強く要望します。
貴議会におかれましては、本請願の趣旨についてご審議いただき、議決の上、政府及び関係行政官庁あてに意見書を提出していただきたくお願い申し上げます。