請願第18号 日本政府に核兵器禁止条約に署名し、批准することを求める意見書提出を求める請願書
受理日:平成30年5月28日
付託委員会:総務
付託日:平成30年6月11日
審査日:平成30年6月18日
審査結果:不採択(賛成少数)
議決日:平成30年6月25日
議決結果:不採択(起立少数)
萩原 陽子
冨塚 忠雄
五十嵐 智美
藤崎 良次
木崎 俊行
【請願要旨】
一、核兵器禁止条約に署名・批准し被爆国としての責任を果たすことを強く求める。
以上の要旨について、地方自治法第99条の規定により意見書を内閣総理大臣・総務大臣・外務大臣宛、提出すること。
【請願理由】
核兵器禁止条約が昨年7月に採択され10カ月余り―。条約に署名した国は58カ国、批准は10カ国となりました。条約発効には50カ国の批准が必要です。歴史的な条約の成立のもとで、唯一の戦争被爆国の日本の政府の行動が改めて問われています。
スイスのジュネーブで開かれた2020年核不拡散条約(NPT)再検討会議の第2回準備委員会(4月23日〜5月4日)では、核兵器禁止条約が焦点の一つとなりました。核保有国は「禁止条約は、核兵器の削減や制限に役立たず、NPTに反する」などと反対していますが、条約を推進してきた国々は「禁止条約はNPTの核軍縮措置を補完・強化するものだ」としています。
NPT第6条は、全ての締約国に「核軍備の縮小・撤廃に関する効果的な措置」について「誠実に交渉を行う」義務を課しています。禁止条約はNPT再検討会議の議論にも、大きな影響を及ぼしていくでしょう。
核兵器の脅威を取り除くのは、「核抑止力」ではなく、世論と外交の力であることも鮮明となりつつあります。
軍縮分野でも禁止条約の成立後、注目される動きがあります。国連事務総長は5月中にも新たな核軍縮の提案を行う予定です。ジュネーブ軍縮会議も20年ぶりに核軍縮の交渉が再開されようとしています。
しかし、米ロが核兵器使用政策の強化と新型核兵器の開発を競うなど新たな危険も生まれています。両大国の利害も絡み、中東でも軍事的緊張が高まっており、核軍縮交渉の進展は楽観できません。
こうした情勢を前向きに打開する決め手は、諸国民の世論と運動です。とりわけ重要なのは、核保有国の逆流に厳しく反対するとともに、禁止条約成立によって始まっている積極的な動きと共同して、大きな世論を築くことです。
この点で、市民社会の役割がいっそう大きくなっていることが、浮き彫りになっています。ジュネーブの準備委員会で演説した被爆者の児玉三智子さん(日本被団協事務局次長)の訴えには、核保有国の代表らも「『核兵器のない世界』という目標は同じだ。核兵器は使ってはならない」と言わざるをえませんでした。
河野太郎外相は「被爆国として核兵器の非人道性を知る我が国は核廃絶に向け国際社会の取り組みを先導する責務がある」と準備委員会で演説しましたが、核兵器禁止条約に背を向けていては、世界を「先導する責務」は果たせません。
条約に署名・批准することこそ、被爆国の国際的責務です。