発議案第7号 「生活保護基準額引き下げ」の撤回を求める意見書
工藤啓子
藤崎良次
冨塚忠雄
兒玉正直
議決日:平成19年12月21日
議決結果:否決(起立少数)
厚生労働省は11月20日に、有識者による「生活扶助基準に関する検討会」において、現在の生活保護の水準が、保護を受けずに働いている勤労層の生活費を上回り、勤労意欲をそぐおそれがあると判断されたとして、「生活扶助費」の見直しを行うと発表しました。
しかし、「生活保護基準」は憲法第25条に基づく国民の生存権を保障する重大な基準となっています。
基準の引き下げは、単に保護費受給者だけにとどまらず、市民生活すべてに重大な影響を及ぼします。収入が増えなくても、これまで減免されていた各種の税や社会保険料に連動してくるからです。
医療費では、国民健康保険税の減免基準が下がります。
福祉では、介護保険の保険料・利用料、障害者自立支援法の利用料の減額が受けられない方が出てきます。地方税では、非課税基準が下がります。
教育では、公立高校の授業料免除基準や就学援助の給付対象基準が下がります。
さらに、生活保護基準との整合性を配慮することを謳った最低賃金の引き上げ目標や年金額にも影響してくるでしょう。
これら低所得の方たちに大変な負担がのしかかります。
まさに貧困のスパイラルが進行し、市民生活は苦しくなる一方です。
生活保護基準の引き下げは、今以上に格差を拡大し、ワーキングプアをはじめとする貧困層を生活保護から排除していきます。
厚生労働省は、憲法第25条の国民の生存権を遵守する義務があります。
利用者や市民の意見反映も十分な周知もせず、拙速、強引な方法で行った決定を見直すとともに、「生活保護基準額の引き下げ」決定を直ちに撤回することを求めます。
右、地方自治法第99条の規定により意見書を提出します。
平成19年12月21日
佐 倉 市 議 会
内閣総理大臣
厚生労働大臣 宛