発議案第3号 日豪EPA/FTA交渉に対する意見書
経済環境常任委員長
冨塚忠雄
議決日:平成19年12月21日
議決結果:原案可決(起立全員)
4月から開始された日豪EPA(経済連携協定)/FTA(自由貿易協定)交渉に対し、オーストラリア政府は農産物も含む関税撤廃を強く主張するものとみられています。もし、オーストラリア政府の要求通り、農産物の輸入関税が撤廃されるようなことになれば、日本政府の試算でも、肉牛、酪農、小麦、砂糖の主要4分野で約8千億円の打撃を受け関連産業や地域経済への影響を含めると2兆〜3兆円の規模になるとされています。
また、食料自給率は30%台に低下するなど日本の農業と食料は壊滅的な打撃を受けることになり、農林業の持つ多面的な機能が失われ、農山村の崩壊、国土の荒廃、環境の悪化を招くことになります。
さらに、昨年、干ばつによって大減産となったオーストラリアの農業生産条件は極めて不安定であり、これに容易に依存することは、世界的な食料不足、危機が心配されている中で、日本の食料安全保障を危うくする結果を招きかねません。
よって、国においては、日豪EPA/FTA交渉にあたっては、下記事項について特段の配慮がなされるよう強く要望します。
記
一、日豪EPA/FTA交渉にあたっては、米、小麦、牛肉、乳製品、砂糖などの農林水産物の重要品目について、関税撤廃の対象から除外するとともに、万一これが受け入れられない場合は交渉を中断することを求めます。
二、農産物貿易交渉は農業・農村の多面的機能の発揮と国内自給による食料安全保障の確保を基本とし、各国の多様な農業が共存出来る貿易ルールを確立することを求めます。
右、地方自治法第99条の規定により意見書を提出します。
平成19年12月21日
佐 倉 市 議 会
内閣総理大臣
外務大臣 宛
農林水産大臣
経済産業大臣