発議案第6号 いじめ・不登校対策のための施策を求める意見書
森野正
桐生政広
村田穣史
議決日:平成19年10月1日
議決結果:原案可決(起立多数)
教育現場では、いじめや不登校の問題が深刻です。
いじめの発生件数は、報告されているだけでも小・中・高等学校数全体の約2割に当たる2万件を超え(平成17年度)、各地で深刻ないじめが発生し続けています。いじめを苦にした児童・生徒の自殺が相次いだ昨秋以降、改めていじめ問題に大きな関心が集まり、文部科学省の「子どもを守り育てる体制づくりのための有識者会議」でも議論され、今年春には教師や保護者、地域の大人たちに向けた提言をまとめ、教師向けの「いじめ対策Q&A」も含めて全国に配布されました。
一方、不登校は主に小・中学校で深刻化しており、文科省の調査(平成17年度)によれば、小学校で0.32%(317人に1人)、中学校では2.75%(36人に1人、1学級に1人の割合)と、学年が上がるにつれて増加する傾向にあります。
いじめや不登校で苦しんでいる子どもたちに、どう手を差し伸べてあげるのか。各地でさまざま試みがなされていますが、現場で効果を挙げているものも参考にしながら、具体的な施策を可及的速やかに実施すべきです。
よって、政府におかれましては、子どもたちの笑顔と希望があふれる教育環境づくりのために、左記の事項について実現を強く要望します。
記
一.「いじめレスキュー隊」(仮称)の設置の推進
第三者機関による「いじめレスキュー隊」(仮称)は、子どもや親などからのSOSに瞬時に対応し、まず「いじめられている子」を守り、孤独感、疎外感から解放。その後、学校関係者と、いじめる側、いじめられる側との仲立ちをしつつ、最終的には子ども同士の人間関係、「絆」の回復を図ることを目的とする。
二.「ほっとステーション」(仮称)づくり
NPO法人による不登校のためのフリースクールなどを活用して、地域の中に子どもが安心できる居場所として「ほっとステーション」(仮称)を設置。そこへ通うことを授業出席と認定する仕組みを作る。さらに「ほっとステーション」から学校へと戻れるようにする。
三.「メンタルフレンド制度」の実施
教員志望の学生等を家庭や学校に派遣する「メンタルフレンド制度」は、子どものよき話し相手・相談相手となることで、子どもたちに安心感を与え、子どもたちの人間関係修復にも役立つなど効果を挙げており、同制度を全国で実施するようにする。
右、地方自治法第99条の規定により意見書を提出します。
平成19年10月1日
佐 倉 市 議 会
内閣総理大臣
文部科学大臣 宛
総務大臣