発議案第8号 核兵器禁止条約再検討会議へのオブザーバー参加を求める意見書
石井昇
松島梢
木崎俊行
稲田敏昭
議決日:令和7年9月24日
議決結果:否決
採決状況:賛成9人、反対17人
広島・長崎に原爆が投下され、80年が経過した。被爆者健康手帳所持者は10万人を割り、平均年齢は86歳を超え、被爆の実相を伝えることができる被爆者は減少し続けている。一方で、ウクライナやパレスチナ・ガザ地区の惨状、さらにはイスラエルがイランの核の脅威を取り除くためなどと主張して先制攻撃を行ったことに端を発する攻撃の応酬においては、核使用のリスクが現実味を帯びるなど、国際情勢は緊迫している。
世界情勢が不安定化するなかでも、長年にわたり核廃絶の先頭に立ってきた日本原水爆被害者団体協議会は昨年、ノーベル平和賞を受賞した。また、原爆投下から80年の節目である広島平和記念式典において、広島市の松井市長は政府に対し「来年開催される核兵器禁止条約の第1回再検討会議にオブザーバー参加していただきたい」と訴え、広島県の湯崎知事は「抑止力から核という要素を取り除かなければなりません。核のない新たな安全保障の在り方を構築するために頭脳と資源を集中することこそが、今我々が力を入れるべきことです」と核抑止論に固執せず、核廃絶に踏み出すことが必要と訴えたことは極めて重要である。
戦後80年が経過した今、唯一の戦争被爆国として日本政府が果たすべき役割は、これまでの延長にとどまらず、核廃絶に向けた積極的な行動をすることであり、それを国際社会からも強く求められている。
よって、本市議会は国に対し、核兵器禁止条約再検討会議へのオブザーバー参加を強く求めるものである。
以上、地方自治法第99条の規定により意見書を提出する。
令和7年9月24日
佐 倉 市 議 会
衆議院議長
参議院議長
内閣総理大臣 宛
防衛大臣
外務大臣