発議案第8号 路線バスの運転手確保のための抜本的な対策を求める意見書
松島梢
木崎俊行
稲田敏昭
議決日:令和6年6月24日
議決結果:否決
採決状況:賛成8人、反対19人
2019年4月に成立した「働き方改革関連法」により、2024年4月から、バス、タクシー、トラックなど、職業ドライバーの時間外労働規制が施行された。1日の拘束時間が最大16時間から15時間になり、1日の休息期間が現行の8時間から11時間を基本(9時間下限)とし、長時間労働は是正されつつある。
しかし、一人一人の運転手の労働時間が減ることによって、ただでさえ人手が足りない状況に拍車がかかり、運転手不足はバス路線廃止となって、住民の足の便を直撃している。
千葉県では、4月16日〜30日に、県内路線バス事業者全35社に対し、減便状況や理由、人材確保策などを調査した。その結果、昨年10月1日の路線バスの運行本数約3万1,900便に対して、4月16日時点では約3万便となり、半年で約1,900便も減便されたことが判明した。運転手の勤務間インターバルや休憩時間を確保するため、最終バスの繰上げや便数の間引きなどを行っており、路線そのものを廃止した会社も少なからずあった。
減便の理由の約8割が運転手不足であり、人材確保は喫緊の課題である。働き方改革関連法成立時から、運転手不足の件は「2024年問題」として俎上に上っており、5年間の猶予期間がありながら、国として何の策も打たなかったことは猛省するべきである。
運転手の採用強化はバス事業者だけでは到底不可能であることから、国として、労働条件のさらなる改善とともに、賃上げへの助成や求人対策への支援など、人材確保と定着に向けた抜本的な対策を早急に立てることを強く求める。
以上、地方自治法第99条の規定により意見書を提出する。
令和6年6月24日
佐 倉 市 議 会
内閣総理大臣
国土交通大臣 宛