発議案第6号 「子どもの貧困対策の推進に関する法律」の理念にのっとり具体的な貧困対策の早急な実施を求める意見書
伊藤とし子
木崎俊行
三井義文
稲田敏昭
石井昇
議決日:令和5年9月26日
議決結果:否決
採決状況:賛成9人、反対18人
本年は「子どもの貧困対策の推進に関する法律」が成立して10年となる。7月4日に公表された「国民生活基礎調査」によれば、子どもの貧困率は11.5%(2021年度)ととなり、前回調査(2018年度)の14.0%よりは多少改善された。また、ひとり親世帯の貧困率も44.5%と、前回調査の48.3%よりはやや改善されたが、厚生労働省では、「貧困率が改善した要因として、コロナ禍に経済的支援策として配った特別給付金の効果のほか、働く女性の増加などによって所得が押し上げられた」と分析しており、依然、貧困状況は高止まり傾向にあると言える。さらに、OECDの最新の国際比較によると、日本の貧困率15.4%は、米国15.1%、韓国15.3%を抜き、先進国中最悪となった。
内閣府の「令和2年度子供の生活状況調査」によると、保護者の経済状況によって、子どもは学習・生活・心理面など広い範囲で深刻な影響を受けることが判明している。貧困層はその他層と比べると、成績の低い子どもが2.0倍、授業で分からない子どもが3.3倍、学校以外で勉強しない子どもが4.7倍多いが、大学進学希望者は0.4倍、生活に満足している子どもは0.8倍に減った。これが「貧困の連鎖」へとつながることを考えると、早急な対策が必要である。
まず、保護者の経済状況を改善することが求められる。最低賃金の引上げはもちろん、困窮世帯やひとり親世帯への就労支援が不可欠である。また、児童扶養手当については、収入が少し上がっただけで対象から外されることのないよう所得制限の緩和、ひとり親家庭への増額やふたり親家庭も含めた適用拡大などを急ぐべきである。
以上、政府においては、子どもの貧困を抜本的・恒常的に防ぐために、具体的で実質的な貧困対策を早急に実施することを強く求めるものである。
以上、地方自治法第99条の規定により意見書を提出する。
令和5年9月26日
佐 倉 市 議 会
内閣総理大臣
厚生労働大臣 宛
こども家庭庁長官