発議案第8号 敵基地攻撃力保有を含む大軍拡路線の撤廃を求める意見書
木崎俊行
五十嵐智美
藤崎良次
川口絵未
松島梢
稲田敏昭
萩原陽子
議決日:令和4年3月22日
議決結果:否決
採決状況:賛成7人、反対20人
岸田政権下初の当初予算案が作成され、そのうち防衛予算は実に6兆1744億円である。今世紀に入って漸減を続けて来た防衛予算は、第二次安倍政権成立以降右肩上がりの増額を続けて来たが、今回は、「補正予算+当初予算」を「防衛力強化加速パッケージ」として一体化し、「16か月予算」としてこれまでにない巨額なものとなった。
「補正予算」についての「財政法第29条」の規定を大きく逸脱する防衛関連の使途は、2011年以来一貫しているが、今後はこの「パッケージ方式」で公然と常態化されることになる。
これは、菅政権末期から明言が始まった、従来の「防衛費はGDPの1%以内」という枠を取り払う方向の実現であり、「防衛力強化」「敵基地攻撃力保有」さらには「改憲」とセットで進められることは明らかである。
実際、本年1月7日に開催された「日米安全保障協議委員会(2+2)」の共同文書には「日本は「国家安全保障戦略」の見直しで、ミサイルの脅威に対抗する能力(敵基地攻撃能力)を含めて必要なあらゆる選択肢を検討」と明記された。事実上のさらなる解釈改憲を目指していることは明白である。
既に数年前より予算化されている複数のスタンド・オフミサイル=中距離ミサイル開発は、数年以内に実用化の段階に入っている。しかも上掲の共同文書中にある「戦略を完全に整合」「日米の施設の共同使用を増加」により、そうした「敵基地攻撃力」は日米一体となっての共同運用の可能性すら出て来ている。
強引に憲法の平和主義を破壊する大軍拡路線を推し進めることについては、国会での論議も不十分であり、主権者である国民に対する説明責任も果たされていない。敵基地攻撃力保有を含む大軍拡路線と防衛予算の大増額を撤廃し、国会での論議を徹底させることを強く求めるものである。
以上、地方自治法第99条の規定により意見書を提出する。
令和4年3月22日
佐 倉 市 議 会
内閣総理大臣
防衛大臣 宛
外務大臣