発議案第4号 ジェンダー平等の視点から必要な法整備を求める意見書
萩原陽子
五十嵐智美
藤崎良次
松島梢
稲田敏昭
玉城清剛
議決日:令和3年12月13日
議決結果:否決
採決状況:賛成8人、反対18人
スイスのシンクタンク「世界経済フォーラム」が本年3月に発表した男女平等の達成率を示すジェンダーギャップ指数のランキングによると、日本は先進国でありながら156か国中120位となっている。
「女子に対するあらゆる形態の差別の撤廃に関する条約」が1979年に国連総会で採択され、日本は1985年に批准してからすでに36年が経過しているにもかかわらず、なぜこれ程までに男女平等の取り組みが遅れたのか、検証が求められている。
世界では、男女差別をなくすための法整備や社会条件作り、意識改革などの努力が積み重ねられてきた。しかし、我が国では「女性活躍社会」を掲げても、職場での男女格差等の改善にはつながっていない。厚生労働省の「令和2年賃金構造基本統計調査」によると女性の賃金は正社員でも男性の7割程度となっている。また、国税庁の「令和2年分民間給与実態統計調査」によると、非正規を含む平均給与は、男性が532万円、女性が293万円で、40年勤務したとすると1億円近い生涯賃金格差となる。
男女平等が実現しない背景として、男尊女卑や個人の尊厳の否定を当然視する思想が、政権を担う人々に残っていることが根底にある。しかし、日本社会では今、ジェンダー平等を求める機運が劇的に高まっている。女性が安心して働き続けられる労働条件や職場環境を整備し、男女ともに働きながら子育てができる社会条件を創ることが求められる。
同時に、選択的夫婦別姓制度の導入や女性への性暴力の根絶などによって、女性の人権と尊厳を守る取組を進め、性別にかかわらず誰もが自分らしく生きられる社会の実現が求められている。
よって、本市議会は国に対し、ジェンダー平等の視点から必要な法整備を行うよう強く求めるものである。
以上、地方自治法第99条の規定により意見書を提出する。
令和3年12月13日
佐 倉 市 議 会
内閣総理大臣
法務大臣 宛