発議案第9号 陸自オスプレイ基地外訓練の凍結を求める意見書
松島梢
木崎俊行
藤崎良次
稲田敏昭
萩原陽子
議決日:令和3年9月21日
議決結果:否決
採決状況:賛成7人、反対20人
8月26日、木更津基地に暫定配備中の陸上自衛隊所属のオスプレイV−22、7機のうち1機が、百里基地と館山基地への飛行訓練を実施した。今後東富士演習場も含め、月数回の頻度で様々な訓練を実施し、その後さらに訓練範囲を拡大するとのことである。
しかし、一昨年の陸自オスプレイの木更津暫定配備を巡る木更津市、千葉県、防衛省の間でのやり取りで浮上してきた安全性等に関わる問題点のほとんどは、住民による十分な納得に至らないまま放置されている。また、袖ケ浦市、君津市、市原市、加えて習志野演習場を抱える船橋市、習志野市、八千代市の市長より提出されている「地元住民に対する説明会の開催」等の要請に対し、一年以上が経過する現在に至るも防衛省は一切の対応をしていない。
オスプレイは、試作段階から様々な欠陥が指摘され、実際の運用が開始されてからも、墜落を含む事故を重ねており、乗組員の生命も多数失われてきた。沖縄配備の海兵隊MV−22も、墜落事故1回、空母への着艦訓練中の大破(3名死亡)、その他不時着等の事故は数知れない。直近では、8月12日、21時30分という夜間訓練中に1.8キロものパネルを落下させたが、そのパネルは発見されていない。事故原因の究明もされていないにもかかわらず、翌日よりMV−22は通常通りの訓練を続けている。同型機であるV−22の訓練も、地元自治体と住民への説明責任も十全に果たされないまま強行された。
また、陸自オスプレイは、島嶼部防衛を担うとされる水陸機動団の「輸送機」としての側面がもっぱら強調されているが、実際は、現在の戦争の中核を担う米軍の「空母打撃群」の攻撃力を、物理的に底支えする機能を有する機種である。オスプレイの木更津配備・運用は、地方自治をないがしろにして強行される日米軍事一体化の象徴であり、平和憲法のもとに暮らす主権者として断じて許容できない。
政府においては、平和憲法との整合性、完全な安全性、運用の透明性の確保について、全ての関係自治体と住民の合意形成がなされることを、V―22運用の前提とすることを確約すべきである。それまでは、陸自オスプレイの訓練と追加配備を凍結することを強く求めるものである。
以上、地方自治法第99条により提出する。
令和3年9月21日
佐 倉 市 議 会
内閣総理大臣
防衛大臣
外務大臣 宛
陸上幕僚長
陸上総隊司令官