発議案第4号 新たな過疎対策法の制定に関する意見書
鍋田達子
中村孝治
岡村芳樹
山本英司
玉城清剛
議決日:令和2年3月24日
議決結果:原案可決(起立多数)
過疎対策については、昭和45年に「過疎地域対策緊急措置法」を制定して以来、4次にわたる特別措置法の制定により、総合的な過疎対策事業が実施され、過疎地域における生活環境の整備や産業の振興など一定の成果を上げたところである。
しかしながら、人口減少と高齢化は特に過疎地域において顕著であり、路線バスなど公共交通機関の廃止、医師及び看護師等の不足、耕作放棄地の増加、森林の荒廃など生活・生産基盤の弱体化が進むなかで、多くの集落が消滅の危機に瀕するなど、過疎地域は極めて深刻な状況に直面している。
過疎地域は、我が国の豊かな自然や歴史・文化を有するふるさとの地域であり、また、都市に対して、食糧の供給・水資源の供給、自然環境の保全といやしの場を提供するとともに、森林による地球温暖化の防止に貢献するなどの多面的・公共的機能を担っている。
過疎地域は、国民共通の財産であり、国民の心のよりどころとなる美しい国土と豊かな環境を未来の世代に引き継ぐ努力をしている地域である。
現行の「過疎地域自立促進特別措置法」は令和3年3月末をもって失効することとなるが、過疎地域が果たしている多面的・公共的機能を今後も維持していくためには、引き続き、過疎地域の振興を図り、そこに暮らす人々の生活を支えていくことが重要である。
過疎地域が、そこに住み続ける住民にとって安心・安全に暮らせる地域として健全に維持されるよう、新たな過疎対策法の制定と、引き続き総合的な過疎対策を充実・強化し、住民の生活を支えていく政策を推進するよう、強く求めるものである。
記
1 新たな過疎対策法を制定すること。その際、現行法第33条に規定するいわゆる「みなし過疎」と「一部過疎」を含めた現行過疎地域を継続して指定対象とすることを基本としつつ、過疎地域の指定要件、指定単位については、過疎地域の特性を的確に反映したものとすること。
2 過疎地域において特に深刻な人口減少と高齢化に対処するため、産業振興、雇用拡大、子育て支援等の施策を推進すること。
3 住民が安心・安全に暮らせるよう、医療の確保、公共交通の確保、教育環境の整備等、広域的な事業による対応も含めて推進すること。
4 過疎地域においても、高度通信等社会の恩恵を享受できるよう、情報通信基盤の整備や財政支援措置を講じること。
以上、地方自治法第99条の規定により意見書を提出する。
令和2年3月24日
佐 倉 市 議 会
内閣総理大臣
総務大臣
財務大臣 宛
農林水産大臣
国土交通大臣