発議案第10号 東海第二発電所の運転期間延長と再稼働を認めないよう求める意見書
木崎 俊行
五十嵐 智美
藤崎 良次
冨塚 忠雄
議決日:平成30年6月25日
議決結果:否決(起立少数)
日本原子力発電株式会社の東海第二発電所は、本年11月で運転期限の40年を迎えることになり、原子力規制委員会に運転期間の延長を申請している。しかし、40年も運転を続ければ機器や配管の劣化は避けられず、何より放射能にさらされる原子炉本体や壁などが、もろくなっていると考えるのが普通である。
また、東海第二発電所は、東日本大震災で緊急停止し、津波により非常用発電機3台中1台が停止するなど、あわや大惨事の危険性さえあった「被災原発」なのである。さらに、福島第一原子力発電所と同じ沸騰水型軽水炉で、出力は110万キロワットと沸騰水型原子力発電所1基としては日本最高の総発電電力量を記録する巨大な原発である。沸騰水型軽水炉は、原子炉を覆う格納容器が極めて小さく、炉心溶融が起こればすぐに容器破損のおそれがあるとされており、福島第一原子力発電所の事故はそれを示している。
東海第二発電所の半径30キロメートル圏内の水戸市をはじめとする14市町村では避難計画が必要で、千葉県内の地方自治体などと避難受け入れ協議が行われている。当市ではひたちなか市との協定を結ぼうとしているが、福島原発事故で明らかなように、地形や風向きにより千葉県の避難先も避難地域になる可能性があり、実効性のある避難計画の作成は困難をきわめることが予想される。
「老朽化原発」であり、「被災原発」でもある東海第二発電所には、多くの茨城県民が不安を募らせ、県内市町村議会の6割が「運転延長反対」、「再稼動中止」などを求める意見書を可決するに至っている。世論に背いてまで原発を推進するべきではない。
よって、本市議会は国に対し、東海第二発電所の運転期間延長と再稼動を認めないよう強く求めるものである。
以上、地方自治法第99条の規定により意見書を提出する。
平成30年6月25日
佐 倉 市 議 会
衆議院議長
参議院議長
内閣総理大臣 宛
経済産業大臣