発議案第1号 耐震構造偽装問題の再発防止を求める意見書
冨塚忠雄
戸村庄治
工藤啓子
藤崎良次
議決日:平成18年3月17日
議決結果:否決(起立少数)
昨年11月に国土交通省が明らかにした、姉歯建築設計事務所などによる建築確認に関する耐震構造偽装事件は、その後も全国的に被害が拡大し、国会での数次の証人喚問にも関わらず、未だに根本的な解決に至っていない状況にあります。
被害者に対する抜本的な救済措置も確立しておらず、やっと手にいれたマンションからやむなく立ち退かざるを得なかった人たちは、不安の日々を過ごしながら事件の帰趨を注目しています。
今回の偽装事件は、平成10年の建築基準法の改正によって、これまで自治体の建築主事が行っていた建築確認を、民間の検査機関でも実施できるように緩和した経緯の中で発生したものです。
市民生活の命と財産に深く関わる建築物の建設は、関連する法令を遵守したうえで行われなければならないことは言うまでもないことです。しかし、民間検査機関が充分な検査もせずに、何件もの偽装を見逃して確認を出していた事実を考えると、現行のシステムには、是正すべき欠陥や問題があったと思わざるを得ません。
今回の事件に関しては、真相の究明を図り、善意の被害者を救済するために必要な対策を取ることが急務ですが、同時に、再発防止のためには以前のように建築確認事務はすべて自治体の責任において行うか、あるいは民間検査機関の検査を認めるにしても、民間機関に対する自治体の指導・監督を法的に明確にするなどの、検査体制の抜本的な見直しが不可欠だと考えます。
よって、佐倉市議会は、政府及び国会に対し、このような観点から関係法令の改正を行い、建築確認事務に対する国民の信頼回復に努めるよう強く求めるものです。
以上、地方自治法第99条の規定により意見書を提出します。
平成18年3月17日
佐 倉 市 議 会
内閣総理大臣
国土交通大臣 宛
衆議院議長
参議院議長