発議案第7号 生活保護費の引き下げ中止を求める意見書
木崎俊行
五十嵐智美
萩原陽子
冨塚忠雄
藤崎良次
議決日:平成30年3月19日
議決結果:否決(起立少数)
厚生労働省が2017年12月に発表した「生活保護基準の見直し」では、食費や衣服費、光熱費などの日常生活費に充てる「生活扶助」が最大5%引き下げられ、生活保護利用世帯の約7割の世帯で受給額が減額されます。また、ひとり親家庭に支給される「母子加算」は20億円も減額され、子供1人の場合、年間で平均約48,000円の引き下げが予定されており、生活保護利用者からは「これ以上減額されたら、人間らしい暮らしはできなくなる」、「育ち盛りの子どもがいるのに、これ以上どうすればいいのか」との不安の声が上っています。
既に、2013年から15年にかけて「生活扶助」が減額され、平均6.5%、最大10%も引き下げられており、今回さらに減額することになれば、憲法第25条「健康で文化的な最低限度の生活」が保障できるのか問われることになります。
厚生労働省が引き下げの根拠としているのは、生活保護制度を利用していない「低所得層の消費実態との比較」とされていますが、低所得世帯に合わせて生活保護基準を引き下げていくことは、格差と貧困をさらに拡大し深刻にするだけです。また、生活保護基準の引き下げは生活保護利用者だけの問題ではなく、就学援助や住民税等の非課税基準、介護保険の減免基準など各種制度の基準になっています。最低賃金や年金などにも影響を与えることにもなり、国民全体の所得の低下につながる問題と言えます。
政府予算案を抜本的に見直し、国民生活優先に組み替えれば、社会保障の拡充は可能です。
よって、本市議会は国に対し、生活保護費の引き下げ中止を強く求めるものです。
以上、地方自治法第99条の規定により意見書を提出する。
平成30年3月19日
佐 倉 市 議 会
参議院議長
衆議院議長
内閣総理大臣 宛
財務大臣