発議案第4号 佐倉南高校全日制と佐倉東高校定時制の存続を求める意見書
五十嵐智美
萩原陽子
冨塚忠雄
木崎俊行
藤崎良次
議決日:平成30年3月19日
議決結果:否決(起立少数)
2017年11月15日、千葉県教育委員会は、佐倉南高校の全日制と佐倉東高校の定時制の募集を停止し、佐倉南高校の三部制定時制への転換案を発表した。しかるに、この転換案は、佐倉市内の子どもたちの進路選択に多大な影響を与える。
佐倉南高校全日制は、佐倉市内の中学校から毎年50〜60名が進学し、2月6日に発表された前期選抜の競争率は1.14倍となった。佐倉西高校は1.75倍であり、佐倉南高校の全日制をなくせば、競争率はさらに激しくなり、佐倉市の中学3年生が行き場を失う過酷な事態になることは明らかである。
佐倉市が所属する第4学区の中学生が、学区内の公立高校(全日制)に入学できる割合は、県平均の61.4%より少ない52.9%である。これ以上佐倉市内の受け皿を減らし、地元の高校に行けない中学生を増やす不公平は避けるべきである。
佐倉東高校定時制は、生徒に寄り添ったきめ細かな教育内容に定評がある人気校である。今年も24人の募集定員に対し35人が志願し、県内夜間定時制で最も高い競争率(1.46倍)となった。通学の便もよく、京成佐倉とJR佐倉の両方から徒歩20分以内である。
一方、三部制定時制の設置を予定している佐倉南高校は、JR佐倉駅から徒歩25分以上かかり、京成佐倉駅からは往復660円のバス代をかけてJR佐倉駅行と佐倉南高校行を乗り継がないと通えない。1カ月の定期代は9,300円にも上る。経済的困難を抱える生徒が新たな負担を強いられ、時間的にも通えなくなる可能性が高い。バスの便も少なく、佐倉南高校から人通りのない夜道を徒歩で帰宅する危険性を、多くの地元住民が指摘している。
今、佐倉東高定時制は、不登校経験者や外国にルーツを持つ子どもたちなど、多様な子どもたちの大切な居場所であり、次のステップへの成長の場となっている。
以上のことから、佐倉南高校全日制と佐倉東高校定時制の募集停止案を撤回し、両校を存続させることを強く求める。
以上、地方自治法第99条の規定により意見書を提出する。
平成30年3月19日
佐 倉 市 議 会
千葉県教育委員会教育長 宛