発議案第9号 憲法尊重擁護義務の厳守を求める意見書
木崎俊行
萩原陽子
五十嵐智美
冨塚忠雄
藤崎良次
議決日:平成29年6月26日
議決結果:否決(起立少数)
1947年に施行された日本国憲法は、今年で70周年を迎えました。70年間、憲法が維持されてきたのは、国民主権、基本的人権、恒久平和など憲法の理念が国民に支持されてきたからです。
ところが、安倍晋三首相は「憲法9条3項に自衛隊を付け加える」「2020年に施行する」ことを公言しました。自民党総裁の任期を3期9年に延長し、任期内に憲法改正を成し遂げようとの異様な態度です。
海外での武力行使を容認した自衛隊をさらに「合法化」すれば、9条1項の「戦争放棄」や2項の「戦力不保持、交戦権否認」は意味をなさず、憲法9条そのものが「空文化」することになります。自衛隊は、海外で無制限に武力行使が可能となり、日本は「戦争する国」への道を歩むことになります。NHKの調査では、「9条改正」の「必要あり」25%、「必要ない」57%となっており、国民の意思は明白です。極めて乱暴な進め方はやめるべきです。
くわえて、憲法99条は、国務大臣、国会議員などは「憲法を尊重し擁護する義務を負う」と明記されながら改憲を先導するばかりか、行政府の責任者でありながら、立法府の憲法審査まで口を挟むなど、安倍総理の一連の言動は二重三重に許されるものではありません。
このような首相の姿勢は、最も憲法を順守すべき自衛隊制服トップの河野克俊統合幕僚長にまで広がっています。自衛隊が「憲法に明記される」ことは「非常にありがたい」などと、公然と安倍首相の改憲発言を支持する事態がそれです。「安倍政権の暴走」も「自衛隊の独走」も絶対に容認できるものではありません。
今求められているのは、憲法を変えることではなく、憲法を政治・経済・外交など全てに生かして、国民のくらしや福祉を向上させ、個人の人権や民主主義、平和を守ることです。
よって、本市議会は国に対し、憲法尊重擁護義務の厳守を強く求める。
以上、地方自治法第99条の規定により意見書を提出する。
平成29年6月26日
佐 倉 市 議 会
衆議院議長
参議院議長
内閣総理大臣 宛
法務大臣