発議案第5号 国民年金法の強行採決に抗議し撤回を求める意見書
木崎俊行
伊藤壽子
萩原陽子
藤崎良次
議決日:平成28年12月19日
議決結果:否決(起立少数)
高齢者の生活実態を無視し、今でも低すぎる年金給付をさらに削減する年金改正法の強行採決は、世論を無視した暴挙というほかありません。今回の改正は「賃金マイナス・スライド」というべき新たな年金削減の仕組みの導入です。物価が上がっても、賃金がマイナスの場合年金は下がります。ひたすら低い方に合わせるやり方で、直近の10年間に当てはめると、現在の年金より3%以上給付水準が引き下がります。
これまでも安倍政権のもとで、2013年から2015年度にかけて、「特例水準の解消」を名目に2.5%の引き下げを強行し、昨年度はさらに「マクロ経済スライドの実施」として0.9%の引き下げ、この4年間で3.4%もの大幅な削減を実施しています。消費税を増税し円安誘導で物価をつり上げながら、ただでさえ低い年金を減らし続ける政治によって、高齢者のみならず国民の暮らしも地域経済も大きな困難に陥っているのが現状です。
「年金カット法」とも言われる今回の法改正は、とても認められるものではありません。
安倍首相は、「今後、賃金は上がっていくので心配ない」と説明しますが、「本気で賃金引き上げを考えるなら、賃金が下がった場合を想定した法律は必要ないはず」、「さらに非正規労働を広げて賃金低下を狙っている証拠だ」などの批判が出ています。
政府は将来の年金水準を確保するためだと、現役世代にプラスであるように宣伝していますが、引き下げられた年金が次世代に引き渡されることになり、マイナスでしかありません。年金財政強化のためであれば、支え手である労働者の賃金の引き上げや、安定雇用にこそ本気で取り組むべきです。
よって、本議会は国に対し、国民年金法の強行採決に強く抗議し撤回を求めます。
以上、地方自治法第99条の規定により意見書を提出する。
平成28年12月19日
佐 倉 市 議 会
衆議院議長
参議院議長
内閣総理大臣 宛
厚生労働大臣
財務大臣