発議案第6号 公的年金積立金の投機的運用はやめるよう求める意見書
萩原陽子
伊藤壽子
藤崎良次
冨塚忠雄
木崎俊行
議決日:平成28年9月28日
議決結果:否決(起立少数)
年金積立金管理運用独立行政法人(GPIF)が、本年7月29日に発表した2015年度決算で、5兆3,098億円もの巨額損失の発生が明らかになった。安倍政権のもとで、GPIFがこれまでの方針を転換して、株式の運用を倍増させてきたことが今回の大損失につながったものである。
国民が納めた年金保険料の積立金約135兆円(2015年度末時点)は、老後の年金を保障するものであり、安定的に運用することが大前提とされてきたものである。
ところが、安倍政権は「アベノミクス」の成果として「株高」を演出する必要があり、国民の大切な年金積立金を使って、国内・国外株を大量買いし「株高」を支えてきたのである。しかし、「投機」は「ギャンブル」でもある。本年8月26日、GPIFは英国の欧州連合(EU)離脱ショックなどにより株価が急落したことから、2016年の4月から6月にも約5兆円もの損失が発生したと発表した。損失が出れば、そのツケは年金削減や保険料引き上げとなって国民に回ってくることにもなりかねない。
国民が支払っている国民年金や厚生年金の積立金は、国民共通の財産である。金融大国の米国でさえ、公的年金の積立金は株式運用しないルールがある。国民の年金積立金で株価をつり上げ、景気回復を装うなどは、政府がやるべき経済対策ではない。
よって、本市議会は国に対し、国民の年金給付への安心のため、公的年金積立金の投機的運用はやめるよう強く求めるものである。
以上、地方自治法第99条の規定により意見書を提出する。
平成28年9月28日
佐 倉 市 議 会
衆議院議長
参議院議長
内閣総理大臣
厚生労働大臣 宛
総務大臣
財務大臣