発議案第3号 介護保険法改正案に反対する意見書
冨塚忠雄
戸村A治
議決日:平成17年6月22日
議決結果:否決(起立少数)
介護保険法改正案が衆議院で可決され、参議院での審議が始まりました。
制度が発足して5年後の見直しですが、今回の制度改正は急増する介護保険の利用者と給付額を抑制することに最大の狙いがあります。
すなわち、現行の家事援助サービスを制限して筋肉トレーニングなどによる「介護予防給付」を導入し、軽い要介護者の重度化を防ごうとする対応策と施設入所者に対して居住費と食費の全額を負担させようとするものです。
今度の改正案によると、要支援・要介護1の人のための買い物、調理、洗濯、掃除など「家事代行型の訪問介護」は原則として廃止されます。これによって、150〜160万人のサービスが低下することになります。一方、筋肉トレーニングや口腔ケア、栄養改善指導など「介護予防給付」が打ち出されましたが、この筋トレなどの対応策の効果については、専門家からも強く疑問が呈されています。
また、改正案によると特別養護老人ホームなど施設に入所している人は、今年10月から居住費と食費の全額を負担しなければなりません。政府の説明によると、施設入所者は平均で年間39万円の負担増になります。低所得者に配慮すると言いながらこのように負担が増えるのでは、低所得者は施設介護から排除されてしまうことになります。これでは、安心した老後の生活を過ごすことは出来ません。
よって、佐倉市議会は、政府及び国会に対し、新しい「介護予防給付」などの導入を柱とする介護保険改正案に反対すると共に、@保険料、利用料は応能負担制度に改正、A待機者ゼロをめざして施設基盤の整備を促進、B在宅での24時間ヘルプ体制の構築、C介護労働者の労働条件の抜本的改善、D国庫負担割合を現行4分の1から2分の1に引き上げることなどを盛り込んだ公的介護政策を確立するように強く求めるものです。
以上、地方自治法第99条の規定により意見書を提出します。
平成17年6月22日
佐 倉 市 議 会
内閣総理大臣
厚生労働大臣 宛
衆議院議長
参議院議長