発議案第4号 政治の責任で「ブラック企業」を一掃するよう求める意見書
萩原陽子
伊藤壽子
冨塚忠雄
上ノ山博夫
議決日:平成25年10月1日
議決結果:否決(起立少数)
過酷な労働環境の下で、若者を心身の限界まで働かせて使い捨てる「ブラック企業」が社会問題化している。長時間労働と「サービス残業」が常態化し、パワーハラスメントも加わって心身を病む若年労働者が増えており、緊急な対策が求められている。
原因は、労働者を保護するルールが弱いことにある。労働基準法では残業の上限がなく、労使協定を結べば企業は長時間労働を命じることができる。また、企業に労働時間の把握や管理を義務付ける規定がないことも「サービス残業」の横行を許すことになっている。
厚生労働省の発表によれば、仕事のストレスなどによる精神疾患で二〇一二年度に労災認定されたのは四百七十五人(うち九十三人が自殺)、前年比四六%増で過去最多の事態となっている。中でも、二十代の若者の自殺者が二十一人もいることは深刻である。このような日本の異常な労働環境を懸念して、国連の社会権規約委員会は今年五月、長時間労働を防止する措置を講じるよう勧告している。
政府はようやく四千社の実態調査を始めることになり、実態の一端を知った田村厚生労働大臣は「これを放置していたら日本の未来はない」とマスコミに語っている。ところが、安倍首相は大企業の要望に応えた「成長戦略」として、長時間残業を助長する労働時間の規制緩和=ホワイトカラーエグゼンプションや限定正社員制度で解雇の自由化を図るなど、ブラック企業根絶どころか逆に拍車をかける政策を打ち出しており、まさに企業栄えて国滅ぶ事態である。
よって本市議会は、国に対し「ブラック企業」の一掃のために政治の責任を果たすよう強く求めるものである。
右、地方自治法第九十九条の規定により意見書を提出する。
平成二十五年十月一日
佐 倉 市 議 会
内閣総理大臣
厚生労働大臣 宛
経済産業大臣