発議案第7号 集団的自衛権行使に関する憲法解釈の見直しに反対する意見書
五十嵐智美
冨塚忠雄
萩原陽子
議決日:平成25年3月25日
議決結果:否決(起立少数)
安倍首相は、二月のオバマ米大統領との首脳会談で、歴代首相として初めて集団的自衛権の行使容認に言及した。
内容としては、憲法解釈見直しの四事例(一)公海上で攻撃された米軍艦船の防護(二)米国を狙った弾道ミサイルの迎撃(三)国連平和維持活動(PKO)に参加中に攻撃された他国軍の救援(四)戦闘地域での他国軍への後方支援をベースに、新たに「遠距離の公海上にいる米艦船が攻撃を受けた場合」も加えて、集団的自衛権行使の範囲の拡大が目論まれている。
一九九六年の「日米安全保障共同宣言」以来「日米同盟」の強化が謳われ、米軍と自衛隊の共同演習が繰り返され、自衛隊の装備も飛躍的に強化されてきた。この日米同盟の強化にとって「障害」だと指摘されてきたのが、憲法第九条の存在と集団的自衛権行使の禁止であり、安倍首相は憲法解釈の見直しを主張してきた。
近年アメリカは、国連憲章第五十一条に規定されている本来の「自衛権」を都合よく拡大解釈し、アフガニスタンやイラク侵略の際の、先制攻撃の理由付けとしている。アメリカに無批判に追随する限り、自衛隊は米軍に従属する武力行使部隊になりかねない。このような状況は、東北アジアの安全保障と外交のバランスを大きくゆがめる恐れがある。
わが国の安全保障のあり方と日米同盟そのものを根本から見直し、わが国と東北アジア圏の真の協調と安全保障の道筋を見極めることを強く求めるものである。
右、地方自治法第九十九条の規定により意見書を提出する。
平成二十五年三月二十五日
佐 倉 市 議 会
内閣総理大臣
外務大臣
防衛大臣 宛
衆議院議長
参議院議長