発議案第4号 「防災・減災ニューディール」による社会基盤再構築を求める意見書
柏木惠子
森野正
冨塚忠雄
議決日:平成24年6月25日
議決結果:否決(起立少数)
一九六〇年代の高度経済成長期から道路や橋梁、上下水道など社会資本の整備が急速に進みました。高度経済成長期に建築されたものは現在、建築後五十年を迎え、老朽化が進んでいます。国土交通省の「道路橋の予防保全に向けた有識者会議」は平成二十年五月の提言の中で、「二〇一五年には六万橋が橋齢四十年超」となり、建築後五十年以上の橋梁が二〇一六年には全体の二〇%、二〇二六年には同四七%と約半数にも上る現状を提示。経年劣化により「劣化損傷が多発する危険」を指摘しています。今後、首都直下型地震や東海・東南海・南海の三連動地震の発生が懸念される中で、防災性の向上の観点からも、社会インフラの老朽化対策は急務の課題といえます。
災害が起きる前に、老朽化した社会資本への公共投資を短期間で集中的に行うことによって、全国で防災機能の向上を図ることができます。と同時に、それは社会全体に需要を生み出すこともできます。つまり、防災・減災と経済活性化をリンクさせた諸施策の実施が可能なのです。
一方、景気・雇用は長引くデフレと急激な円高によって極めて厳しい状況が続いており、そのために必要な政策が需要の創出です。そこで、公共施設の耐震化や社会インフラの再構築が、雇用の創出に必要な公共事業として潜在的需要が高くなっていると考えます。
よって、政府におかれては、国民と日本の国土を守り、安全・安心な社会基盤を再構築するため、防災・減災対策としての公共事業を緊急かつ集中的に行い、経済の活性化や雇用創出に資する防災対策の実施を強く求めます。
記
一、道路や橋梁、上下水道、河川道、港湾など、老朽化が進み更新時期が近づいている社会インフラを早急に点検・特定し、維持・更新のための公共投資を積極的かつ集中的に行うこと
一、電気、ガス、水道、通信などのライフラインの共同溝化・無電柱化を促進し、都市の防災機能の向上を図ること
一、地域の安全・安心のために、学校等の公共施設や病院・介護等の社会福祉施設など地域の防災拠点の耐震化及び防災機能の強化を推進すること
右、地方自治法第九十九条の規定により意見書を提出します。
平成二十四年六月二十五日
佐 倉 市 議 会
内閣総理大臣
経済産業大臣
国土交通大臣 宛
厚生労働大臣
文部科学大臣