発議案第10号 衆議院比例定数の削減をやめるよう求める意見書
萩原陽子
上ノ山博夫
伊藤壽子
冨塚忠雄
議決日:平成24年3月19日
議決結果:否決(起立少数)
現在の衆議院の選挙制度は、一選挙区から一人の議員を選ぶ小選挙区と全国十一ブロックごとに各政党の得票に応じて百八十の議席を配分する比例代表の並立制である。小選挙区は、全国三百区で一議席を争うため、二位以下の候補者が獲得した得票は切り捨てられることになる。実際、議席に結びつかなかった死票は二〇〇五年の総選挙で三千三百万票に達し、有効投票数の四八・五%を占めている。
一九九四年に現在の選挙制度が導入された際、全議席を小選挙区とする単純小選挙区制の導入に対する批判が巻き起り、比例代表と組み合わせることになったのは、小選挙区だけでは民意と議席との歪みが大きくなり過ぎ、非民主的な選挙制度になってしまうからである。
実際の議席配分は二〇〇五年の選挙で自民党が四七・八%の得票で七三%の議席を獲得し、二〇〇九年の選挙では民主党が四七・四%の得票で七三・七%の議席を得ている。
この上、比例代表の定数が八十削減されることになれば、衆議院全体の議席の約四分の三を小選挙区で選ぶことになり、大政党が圧倒的な議席を確保することになる。
超党派の国会議員により発足した「選挙制度の抜本的改革をめざす議員連盟」では、将来を見据えながら、最高裁も「違憲状態」とする「一票の格差」是正も含めて、民意が反映される選挙制度への改革論議を、慎重に行うことが求められている。
よって、本市議会は国に対し、衆議院比例定数削減をやめるよう求めるものである。
右、地方自治法第九十九条の規定により意見書を提出する。
平成二十四年三月十九日
佐 倉 市 議 会
内閣総理大臣
総務大臣
衆議院議長 宛
参議院議長