発議案第8号 大企業に対する新卒採用拡大への指導を求める意見書
萩原陽子
上ノ山博夫
冨塚忠雄
伊藤壽子
工藤啓子
議決日:平成23年3月14日
議決結果:否決(起立少数)
今春卒業予定で就職を希望している高校生の、昨年十二月末時点での就職内定率が七七・九%に止まっていることが、文部科学省の調査で明らかになった。
卒業まで残り三カ月の時点で、四万人の就職先が決まらないというこの厳しさを、新聞は「厳冬」と表現している。大学卒業者の内定率はこれよりもさらに低い水準で推移している。
青年が社会人としての門出の第一歩を、働き場所もない状態で迎えなければならないという異常な事態を、このまま放置してはならない。
内定率低迷の重要な背景となっているのが企業の採用減であり、とりわけ巨額の内部留保をためこみながら、その一方で大幅に採用を減らしている大企業の責任が、厳しく問われている。
例えば、販売台数で三年連続世界一となり十三兆円余の内部留保をもつトヨタ自動車は、二○○六年に三○一四人だった新卒採用者数を、二○一一年には三分の一の九六○人へと減らしている。同じく内部留保四兆円余のパナソニックも、同期間に採用数を七五○人から二九○人へと減らしている。
こうした大企業による採用減は、一方でますます深刻化する正規労働者の非正規への置き換えや、サービス残業の蔓延等とあいまって、雇用環境を著しく悪化させるものとなっている。
大企業がその収益と体力にふさわしい社会的責任を雇用においても果たすことが、いま切実に求められており、それ抜きにして今日の就職難を打開することはできない。
よって本市議会は、政府において、大企業に対し新卒者の大幅な追加採用をはかることを要請・指導するよう、強く要望する。
右、地方自治法第九十九条の規定により意見書を提出する。
平成二十三年三月十四日
佐 倉 市 議 会
内閣総理大臣
厚生労働大臣 宛
経済産業大臣