発議案第2号 定率減税の縮小・廃止に反対する意見書
冨塚忠雄
戸村庄治
宮部恵子
議決日:平成17年3月17日
議決結果:否決(起立少数)
現在開会中の通常国会において、年金財源や財政破綻の立て直しと称して定率減税の縮小に関する法案が審議されています。報道によると、政府は2006年度には定率減税制度を廃止する方針とも言われています。小泉内閣は、定率減税の縮小・廃止の理由を「定率減税は景気対策として実施したもので、景気が回復した現在では必要ない」と説明しています。
しかし、この理由は根拠がありません。景気が回復したと言っても働く者の賃金は一向に上がっていません。それは納税者一人当たりの平均所得金額が、1991年から2001年の10年間の比較で約20%も減少していることで明らかです。
加えて、年金・医療など社会保険料負担は増え続けています。このような状態の中で、貯蓄非保有者世帯の割合は、1985年と2000年を比較すると6%から24%へと激増しています。いま、勤労国民の家計は極度に悪化しており、新たな増税に耐えられるような実態にはありません。
税制は、担税能力に応じて課税する応能負担を原則とすべきです。しかし、日本の税制度は、この間、定率減税が実施された1999年も含めて所得税、住民税、法人税の最高税率の大幅な引き下げが行われており、大企業や高額所得者の負担軽減措置が図られています。もし、これに加えて定率減税の縮小・廃止が実施されるならば、日本の税制度は、担税能力の高い者の負担が年々軽減され、逆に低い者の負担がますます強化されるといういびつな状態になります。これでは、税制本来の所得再配分機能は全く喪失するということになりかねません。
よって、佐倉市議会は、定率減税の縮小・廃止には強く反対するものです。
以上、地方自治法第99条の規定により意見書を提出します。
平成17年3月17日
佐 倉 市 議 会
内閣総理大臣
財務大臣 宛
衆議院議長
参議院議長