発議案第11号 「労働者派遣法改正案」の抜本的見直しを求める意見書
伊藤壽子
冨塚忠雄
兒玉正直
藤崎良次
工藤啓子
議決日:平成22年9月22日
議決結果:否決(起立少数)
政府は先の通常国会で継続審議となった「労働者派遣法改正案」について、次の臨時国会での成立を図っているところである。「派遣労働者」「非正規雇用労働者」の待遇改善と権利擁護を目指すとされる本改正案であるが、すでに次のような問題点が指摘されている。
一、製造業派遣の「常用型」派遣を例外としている点。
二、「登録型派遣の禁止」から、「専門二十六業務」を例外としている点。
三、「日雇派遣」原則禁止に例外規定を設けた点。
四、「系列派遣」を派遣先=派遣元という歪んだ雇用形態として八割まで認めている点。
五、違法派遣等に対する「みなし雇用」を限定した上、違法性の認識の有無を条件とし派遣先の責任を軽減している点。
六、「同一労働・同一賃金」導入にはほど遠い点。
七、施行期日は公布の日から六ケ月以内とされているが、製造業派遭や登録型派遣の原則禁止などについては、公布の日から三年、さらに「比較的問題が少ない」とされた業務は五年もの間、その実施を先延ばししている点。
八月三日付け厚生労働省二〇一〇年版「労働経済白書」では、「九七年からの十年間で、百万円〜二百五十万円の低収入層の割合が雇用者全体の25%から29%に増えた」と指摘し、その背景として「企業で人件費の抑制志向が強まり、人材育成よりも即戦力の確保が重視された」としている。さらに「九九年から始まった労働者派遣事業の規制緩和が、これを後押しした」と政府の責任を認めているところである。
よって本市議会は、労働者の権利擁護の立場に立った真の抜本的改正案を立案し、成立させることを強く求める。
右、地方自治法第九十九条の規定により意見書を提出する。
平成二十二年九月二十二日
佐 倉 市 議 会
内閣総理大臣
厚生労働大臣 宛
衆議院議長
参議院議長