発議案第7号 介護保険制度の抜本的な基盤整備を求める意見書
神田徳光
森野正
藤崎良次
冨塚忠雄
工藤啓子
議決日:平成22年3月24日
議決結果:原案可決(起立全員)
介護保険制度がスタートしてから10年を迎えましたが、介護現場では深刻な問題が山積している。特に特別養護老人ホームの入所待機者は42万人にも上り、在宅介護においても家族の心身の負担など深刻である。介護保険を利用している要介護認定者とその家族、そして介護事業者および介護現場で働いている人など、介護保険制度にかかわる方々から、必要なサービスおよび介護施設の確保、経済的負担の軽減、介護報酬や処遇の改善などを要望する切実な声が数多く上がってきている。
しかも、15年後の2025年には65歳以上の高齢者人口がピークを迎えるといわれている。今後さらに進展する超高齢化社会を見据え、「安心して老後を暮らせる社会」の実現をめざすには、介護施設の大幅な拡充や在宅介護の支援強化、利用者負担の抑制、公費負担割合の引き上げなど、必要な見直しが求められている。
そのために、2012年に行われる介護保険制度改正では、抜本的な制度設計の見直しが必要と考える。
よって本市議会は、政府において介護保険制度の抜本的な基盤整備をすべく、特に下記の点について早急な取り組みを行なうよう強く要望する。
記
一、2025年までに“介護施設の待機者解消”を目指す。そのために、介護三施設を倍増させ、特定施設、グループホームを3倍増する。
※介護三施設:特別養護老人ホーム、老人保健施設、介護療養型医療施設。
※特定施設:有料老人ホーム、ケアハウスなど。
二、在宅介護への支援を強化するために、24時間365日訪問介護サービスヘ大幅な拡充を行うほか、家族介護が休息をとれるよう「レスパイト(休息)事業」も大幅に拡大する。
三、煩雑な事務処理の仕分けを行い、手続きを簡素化、要介護認定審査を簡化し、すぐに使える制度に転換する。
四、介護従事者の大幅給与アップなどの待遇改善につながる介護報酬の引き上げを行う。
五、介護保険料の上限が高くなりすぎないように抑制するため、公費負担割合を5割から、当面6割に引き上げ、2025年には介護保険の3分の2を公費負担でまかなう。
※一号保険料は現在4160円(月額)。このままいけば2025年に6300円を超えると見られている。
以上、地方自治法第99条の規定により意見書を提出する。
平成22年3月24日
佐 倉 市 議 会
内閣総理大臣 宛
厚生労働大臣